テーマ別研究
地域LCA (地域施策へのライフサイクルアセスメント手法の適用)
2002年6月の環境サミットにおいて「持続可能な生産と消費」への移行が大切であり、そのためにはライフサイクルで物事を考えるライフサイクル思考(シンキング)が不可欠であると世界的に認識されました。また、2005年2月には、京都議定書が発効され、具体的なアクションを起こす必要性から、国内におけるCO2削減をはじめとする環境問題解決のための行動が、もっとも現場に近い地方自治体、企業などに、喫緊の課題として求められるようになってきました。
このような背景から、当研究センター地域環境研究チームでは、地方自治体の地域施策を対象に、ライフサイクル思考を地域施策に対して適用することで、より環境影響の小さい地域施策の実施を支援するための手法を開発しました。本研究は、2003年より2006年までの3年間、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の 「二酸化炭素固定化・有効利用技術等対策事業/製品等ライフサイクル二酸化炭素排出評価実証等技術開発」の委託事業の一部である「地域施策に対するLCAの適用手法の研究開発プロジェクト」として行われました。
具体的には、岩手県における廃棄物処理方法の検討、千葉県における未利用バイオマス資源の有効活用方法の検討、 三重県における産業誘致によるまちづくり社会基盤整備方法の検討という3つのケーススタディーを通じて、ライフサイクルアセスメントの手法を応用した地域施策の評価設計手順を整理しました(右図)。環境影響を考える地理的範囲を明確に定義し、施策の及ぶ範囲内だけでなくそれ以外の地域への環境影響を定量的に示すことができることが本手法の特徴です。
各県で行われたケーススタディを実例として、この手順によって具体的に地域施策を評価設計する方法としてまとめた実務書を現在公開しています(下記よりダウンロードできます)。
2006年度からは、岩手県、千葉県の協力を得て、両県の一般ごみ処理についての研究を開始し、メタン発酵処理、ごみ焼却処理の環境負荷・コスト比較を元に、市町村合併という地域変化を考慮した場合の処理方法について、各県での適切な処理技術、立地、広域処理圏の設定、効果について環境影響とコストを考慮した検討を行っています。また、まちづくり事業に対して「まちづくりの便益」をコンジョイント分析から、また「環境影響」をLCAから求めて環境効率を算出するなど、地域施策に環境効率を適用する試みを行っています。
| 成果 |
RCACAO(Regional Circulation And Capacity Analyzer/Optimizer)
様々な地域特性や各種の技術特性など複雑な要素を同時に考慮し、どのようなシステムが望ましいかを検討するためのシミュレーション解析ツールです。
各種技術情報が収められたプロセスインベントリデータベース(PIDB)とREDBとの連携によって、目的と条件に合った技術や規模、立地場所が出力されます。解析結果をREDB上で地図として表示することで、複雑な地域問題の理解に役立ちます。
現在、非営利用途に限って、仮公開を行っていますので、使用をご希望する方は、当研究センター地域環境研究チーム長 玄地裕(@aist.go.jp) まで、お問い合わせください。
- REDB(地域環境データベース)
地理情報システム(GIS)を利用した、立地や輸送、分布などの地理的データを空間的に管理、利用するためのデータベースです。
最短経路探索や空間的補完などのGISの空間解析の結果を環境影響の評価や施策の検討に活用できます。
- LCA手法による地域施策評価の実務(平成17年度成果報告書付録)
(PDF 5,584KB)
地域施策に携わる地方自治体の施策立案者、施策実施者を主な対象として、具体的に地域施策を評価設計する方法としてまとめた実務書です。
- 平成17年度成果報告書
(PDF 10,692KB)
「二酸化炭素固定化・有効利用技術等対策事業/製品等ライフサイクル二酸化炭素排出評価実証等技術開発/環境影響評価のケーススタディ:
三重県、千葉県、岩手県における環境影響評価手法の研究開発」報告書
((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構より転載許可をいただき、掲載しております。)
*各編、各章ごとのダウンロードは、こちらのページをご覧下さい。
- パンフレット「地域施策に対するLCAの適用手法の研究開発」
パンフレット 【 全頁 PDF 10,754KB : 表紙・最終頁(PDF 631KB) | pp.1-2 (PDF 1,544KB) | pp.3-4 (PDF 1,014KB) | pp.5-6 (PDF 7,614KB) 】
- 活用事例
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バイオマス利活用 -千葉県の「バイオマス立県ちば」-
バイオマス資源の特性や、地域固有の条件を考慮したバイオマス資源利活用システムの評価手法を開発しています。
環境への影響を削減する具体案の検討を行うことで、千葉県におけるバイオマスタウン構想の策定のために必要な情報提供及び代替案の提言を行います
バイオマス関連情報のページ (千葉県ホームページ)
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廃棄物処理 -岩手県の「第2クリーンセンター建設計画」-
地域分布および時間変化や居所的な環境問題を考慮した、一般廃棄物および家畜ふん尿処理システムの環境影響評価手法を開発しています。
岩手県の事例に適用することにより、環境影響の低減を目指した廃棄物処理計画に関する提案を行います。
第2クリーンセンターに関するページ (岩手県ホームページ)
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まちづくり -三重県の「クリスタルタウン」-
事業計画・実施段階において、まちづくりの事業案について環境影響の定量的な評価と改善案の提案を行います。
また、意思決定や事業案の改善を実施する際の有効な判断資料を提供します。
クリスタルタウンについてのページ (三重県ホームページ)
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| 活動 |
- 研究交流会 2006.4.28
(独)国立環境研究所 循環型社会・廃棄物研究センター(森口センター長)と同研究所 環境技術評価システム研究室(藤田室長)のグループと合同で、地域環境研究に関連する研究交流会を開催しました。
- 当研究センター主催ワークショップ
| 開催日 |
ワークショップ名 |
| 2005.11.30 |
ライフサイクルアセスメント研究センター国際ワークショップ 「LCA手法の地域施策への展開」
会場:発明会館ホール
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| 2004.11.11 |
「岩手県循環型地域社会の構築」と「地域LCA(ライフサイクルアセスメント)」-公共関与による廃棄物処理と地域の施策へのLCAの適用-
会場:岩手県庁 12階 講堂 |
| 2004.10.15 |
「ライフサイクルアセスメント(LCA)と環境対策」-地域の企業活動・施策への適用- 第5回環境経営サロン
会場:三重県総合文化センター・生涯学習センター2F 視聴覚室 |
| 2004.09.17 |
バイオマス立県ちば」と「地域LCA(ライフサイクルアセスメント)~持続可能な社会実現のために、地域施策へのLCAの適用
会場:千葉県文化会館 |
| 2003.11.21 |
地域施策へのLCAの新たな展開シンポジウム
会場: 発明会館,虎ノ門 |
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