持続可能で、安心・安全な社会実現に向けた評価研究の推進

独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門
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松永 猛裕 (グループ長)

自己紹介

松永猛裕 Takehiro-Matsunagaなぜ、私が爆発を研究するようになったか?本当ならば、大気汚染-光化学スモッグの研究者になっていたはずなのです。
私が育った静岡県浜松市は自然豊かなところでした。そこで、私は小さい頃から山菜狩り、栗拾い、山芋掘り、魚釣り、潮干狩り・・と狩猟民族のような暮らしをしていました。私が中学生の頃、東京に行く機会があり、東京タワーの展望台に上りました。当時は光化学スモッグが社会的な問題となっており、東京の空はとても汚れていました。そこで、子供心に「この空をきれいにしてみせる!」と思い込みました。その後、順調に東京の大学に進み、希望の研究室に配属になり、望み通りの研究ができるはずだったのです。しかし、大気汚染のテーマ枠は1人、これに対して複数人の希望者がいました。そこで、私はジャンケンの戦いに負けました!痛恨のチョキ!
人生は努力していても思い通りにはならないものです。卒論は量子科学計算で高反応性物質の物性を予測する研究を行いました。大学院に進んでからは、実験も行うようになりました。化学物質の爆発危険性が専門分野になりました。幸いにも同じ研究テーマでここまでやれています。チョキがもたらした運命ですが、今では天命かなと思っています。なにより、私のような自然と平和を愛する人間が、爆発を研究しているという状況が良い。爆発でお困りのことがあれば、お気軽にご相談下さい。

 

薄葉 州 (研究員)

自己紹介

薄葉州 Syuu-Usuba私の博士論文のテーマは電磁気のエネルギーだけで物質を高速に駆動する「レールガン」の研究であり、この研究を通して、秒速数キロメートルで物質同士が衝突する際にマイクロ秒オーダーの短時間に発生する圧力・温度状態について、理屈だけでなく感覚的に理解する能力を養いました。この経験は、その後の「爆発」をキーワードとする当所での研究や、一昨年来実施している液体ロケット燃料の爆発安全性評価の実験にも役立っています。また10年程前から、縁あって微小重力環境を利用する炭素ナノ材料合成や可燃ガスの着火特性試験にも携わってきました。これら「爆発」と「微小重力・宇宙」は一見まったく別の分野に思えますが、例えばガスの燃焼や粉じん爆発の評価に微小重力環境は有用 ですし、ロケット燃料の爆発特性評価が宇宙環境の安全利用にとって避けて通れないなど、「安全科学」の観点から両者のコラボレーションは有望であると考えています。2年前から国連TDG/GHS委員会に参加して火薬類の国際化対応にも携わるようになりましたが、この活動においても研究者としてのユニークな切り口を見出したいと考えています。

 

秋吉 美也子 (研究員)

自己紹介

秋吉 美也子 miyako-akiyoshi私は九州工業大学(前身は官立明治専門学校、いわゆる明専)工業化学科を卒業、修士は環境工学を専攻しました。環境工学といっても、中身は火薬、爆薬に関する研究であり、研究室ではその貯蔵安定性に関する研究を行いました。ドクター課程には進まず、就職。男女雇用均等法が制定されて間もないあの頃、火薬関係会社には「女性は顔に怪我でもされると……」と丁重に断られ、畑違いの某S鉄鋼会社に。7年間、鉄冶金反応(製鋼、精錬反応)に関する研究開発に励みました。年中無休、毎日睡眠1時間以内という過酷な日々で身も心もぼろぼろとなった後、古巣の研究室に助手として戻り、その後大学で8年間研究。企業との共同研究の中で「自動車用エアバックガス発生剤」に関する研究を行い、 々の新規金属錯体硝酸塩を合成して論文博士をとりました。今後も大学で研究を!と思った矢先に、色々ワケあって、産総研へ。人生山あり、谷あり、色々な経験をさせてもらいました。現在は、火薬に限らず、化学物質の爆発安全に関する研究(たとえば、エーテル類の過酸化物生成反応、アジ化水素の反応性など)を行っており、とくに熱暴走反応を得意とします。また、危険性評価試験法の国内、国際標準化をすすめています。化学の知識をバックグランドにして、日々研究にいそしむ毎日です。(そして、老うさぎと老猫に癒される毎日です。)

 

 岡田 賢 (研究員)

自己紹介

岡田 賢 Okada-Ken

学部は金属工学、修士、博士と原子核工学を専攻しました。博士論文の当初のテーマはスズの同位体分離に関する研究でした。成果が出ず行き詰まっていた所、放射性廃棄物の発火・爆発事故の原因究明を裏テーマで行うように指導教官のアドバイスがありました。そこで、手探りで始めたところどんどんのめり込んでしまい、博士2年で裏テーマをメインテーマに鞍替えし、発火・爆発事故の原因究明で博士を取得することが出来ました。これを本職にと決め、火薬類の安全研究を国内で唯一行っている工業技術院物質研(産総研)に就職氷河期ながら運良く入所することができました。入所後の夏に愛知県で7.7tの無煙火薬の爆発事故が発生し、原因究明の一環として威力評価の研究に従事する機会を得ました。その後、レーザー衝撃波研究などの基礎研究も行いました。近年、爆発事故の原因究明および防止に関する研究の依頼が次々と舞い込んできています。がん具煙火解体時の爆発事故、煙火玉の破片落下事故、イオン交換樹脂の爆発事故、三塩化窒素の爆発事故、アルキルアルミの爆発事故、ポリウレタンの爆発事故、シアン化合物の分解時の爆発性評価、THF過酸化物の爆発事故、NaK過酸化物の発火爆発事故、アジ化水素の爆発危険性評価、等々です。事故原因が明らかに分かっていても、再現実験は難しく職人的な感性が必要です。爆発のメカニズム、爆発が起こる条件などを実験的に明らかにし、化学プラントが安全に操業が行えるような研究を行っています。

 

 岡田 真美 (テクニカルスタッフ)

自己紹介

岡田真美 Mami-OKADA 高専の物質工学科を卒業後、ひょんなことから産総研に入所しました。ナノシステム研究部門で無機デバイス材料の基本物性評価(TG/DTA,IR,XRD,BET)に取り組んだのち、平成23年1月に当グループに異動いたしました。現在、主に花火の撮影やその他実験の動画編集作業を行っております。
まさか自分が爆発の研究に携わることになるなんて、全く思いもしませんでした。火薬・爆薬を身近に目にすることができるって、とっても好奇心がわきますよね。
写真は、最初に使い方を教わった装置です。圧力と温度を同時に計測することができます。実際の実験では、反応容器内にセンサーを取り付け、反応時の圧力計測に使用しています。