恒見 清孝 (グループ長)
自己紹介
以前は鉄鋼会社に勤務し,また大学でライフサイクル評価(LCA)やリスクコミュニケーションの研究を行っていました.産総研では,ニッケルやアンチモンなどの金属や,可塑剤,難燃剤などのプラスチック添加剤を対象に,リスク評価や物質間のリスクトレードオフ評価を行っています.
私が対象にしている化学物質にはいくつかの共通点があります.まず,製造から廃棄までの物質のライフサイクルの期間が長いことで,物質循環を含めたマテリアルフロー解析に取り組んでいます.次に,情報制約のもとで排出量推定の必要があることで,物性や国内のリスク管理状況を勘案した排出シナリオ文書の作成に努力しています.さらに,マテリアルフローが国内に留まらず,海外での回収・再利用に伴うリスク増加が懸念されるおそれがあることで,そのリスクの定量化をめざしています.
今後は,欧州指令等による金属代替に伴うリスクトレードオフ評価を行い,物質代替の費用対効果の妥当性を検証します.その際に,上記の自らのバックグラウンドを生かしていくつもりです.また,将来の持続可能な産業社会の構築のためには,循環型への社会構造転換と有害化学物質管理がその両輪になるだろうと考えています.そこにはリスク評価とLCAの両方が必要な局面が想定され,両方の研究経験を有する研究者として,私はその融合的な研究を将来目標ととらえています.
研究概要
1.短鎖塩素化パラフィンのリスク評価
2.ニッケルのリスク評価
3.アンチモンのリスク評価
4.情報の不足を補うモデル推論の手法開発
5.金属のリスク評価手法開発
研究業績
- Kiyotaka TSUNEMI (2007) Estimation of Cumulative Risk of Polybrominated Diphenyl Ethers, JOURNAL OF ENVIRONMENTAL INFORMATION SCIENCE 35-5,pp.93-100.
- 恒見 清孝,和田 英樹 (2006) リスク評価のための日本国内におけるニッケル物質フロー分析,鉄と鋼92-10,pp.49-56.
- 恒見 清孝 (2006) 第一種監視化学物質のリスク評価,リスク学事典増補版,阪急コミュニケーションズ.
- 山口 治子,恒見 清孝,東海 明宏 (2006) 生産から廃棄までの動的サブスタンスフロー分析を用いたDecaBDEの環境排出量推定,環境科学会誌19-4,pp.291-307.
- 恒見 清孝,東海 明宏 (2005) 短鎖塩素化パラフィンのリスク削減対策,環境情報科学論文集19,pp.545-550.
- 恒見 清孝 (2005) 詳細リスク評価書シリーズ5 短鎖塩素化パラフィン,丸善.
- Tohru MORIOKA, Kiyotaka TSUNEMI, Yugo YAMAMOTO, Helmut YABAR and Noboru YOSHIDA (2005) Eco-efficiency of Advanced Loop-closing Challenges in End-of-Life Vehicles and Electric Household Appliances in Hyogo Eco-Town,JOURNAL OF INDUSTRIAL ECOLOGY 9-4,pp.205-221.
- Kiyotaka TSUNEMI and Tohru MORIOKA (2004) Evaluation of Advanced Loop-closing System of Steel Recycling,JOURNAL OF GLOBAL ENVIRONMENT ENGINEERING 10,pp.27-38.
- Tohru MORIOKA, Kiyotaka TSUNEMI et al. (2002) Development of Support System for Diagnositics, Evaluation and Decision-making of Environmental Risk Issues, 6th International Conference on Probabilistic Assessment and Management, pp.1653-1658.
- Kiyotaka TSUNEMI, Tohru MORIOKA and Noboru YOSHIDA (1998) Site-based Environmental Risk Management in Industrial Factory Illustrating Practical Inventory and Improvement Analyses with Life-cycle Thinking, Japanese Journal of Risk Analysis 10(1),pp. 73-80.








