持続可能で、安心・安全な社会実現に向けた評価研究の推進

独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門

李 紅 (博士研究員)

自己紹介

李紅 li_hong2011年度に産総研イノベーションスクール(産総研特別研究員)として雇用されました。自然科学的なモデルと社会科学的なモデルを組み合わせて、政策の効果をシミュレートするという学際的な研究を行っています。

博士課程での研究は面原系汚染源の制御が難しいとされている中国の「三湖三河川」の一つである雲南省デン池流域を研究対象としました。既存のデータに基づいて流域の社会経済活動を述べる社会経済モデルを構築し、環境政策の実施に依存して変化する環境負荷の発生構造や、水質汚濁物質の輸送構造などをモデル化しました。総合評価の対象となる環境政策は、現在デン池流域で実施されている下水道建設などの様々な水環境改善政策の他に、日本などの先進国で採用されている溶出抑制肥料の使用推進政策、高度排水処理をハイブリッドしたバイオマスリサイクルプラントの設置促進政策などです。水質汚濁物質を削減する政策を考慮しながら、温室効果ガスの排出を制御する政策、手段を考慮して総合的な環境政策の評価を行いました。コンピュータシミュレーションのより、バイオマスリサイクルプラントの導入を中心とする総合的流域環境政策が対費用効果的で、環境改善と流域の経済発展を両立させることが示しました。

今後、イノベーションスクールにおいて、イノベーションに役に立つ評価研究はどのようなものか考え、OJTの現場で知識と能力を身に付けることにより、正社員を目指しています。これまで実施してきた評価研究を、イノベーション促進に寄与できるものに高めていきたいと考えています。将来日本で得た知識をアジアの環境政策に活かし、さらには地球規模での環境問題にも貢献したいです。