持続可能で、安心・安全な社会実現に向けた評価研究の推進

独立行政法人産業技術総合研究所 安全科学研究部門

 高井 亨 (博士研究員)

自己紹介

高井 亨 toru-takai 私の研究関心は、個人の意思決定過程をその行動結果から定量的に評価することにあります。
修士課程では、JCO臨界事故が人々に与えた影響を分析すべく、ヘドニックアプローチという手法を用いて事故によって生じた不安感を定量評価するという研究をおこない、事故補償について論じました。博士課程では、家庭内における個人の利他性を、市場データから測定する指標をミクロ経済理論に基づいて作成し、実証分析をおこないました。そして現在は、新規技術であるナノテクノロジーを個人がどのように受容するのか、リスク認知・便益認知、感情、信頼、価値観といった視点を織り交ぜて研究をおこなっています。
これらの研究は一見、全体的な関連性が薄いようにも思えますが、いずれも個人の意思決定過程を明らかにするものです。産総研は技術を社会へ還元する機関ですが、技術はそれを使う個人、そして社会があって初めて意味を持ちます。そこで、人間の意思決定過程を分析し評価することは、どのような技術が社会にとって望ましいのか考えてゆく上で、今後ますます重要となってくると考えます。
今後は、個人の意思決定過程の研究からさらに進んで、それらと社会変動(技術変化・経済成長・制度の構築など)とのかかわりについても考えてゆきたいと思っています。