火薬学会奨励賞

表彰理由:
硝酸アンモニウム(AN)は,安価かつ残渣生成しないエネルギー物質酸化剤である事から,自動車エアバッグ用ガス発生剤分野および宇宙ロケット用固体推進薬分野での応用が広く期待されている。しかしながら,実用拡大には燃焼性の乏しさ,固相間相転移,吸湿性などのAN固有の特性の改善が不可欠と考えられている。
和田祐典君は,ANを酸化剤主成分としたガス発生剤モデル試料について,種々の燃焼特性評価を実施し,ANの燃焼機構に関して定性的な考察と燃焼モデルの提案を行った。より具体的には,硝酸グアニジン,AN,塩基性硝酸銅からなるガス発生剤試料の線燃焼速度解析と燃焼波内温度場測定の結果から,AN含有割合が線燃焼速度の圧力指数の変化に大きな影響を及ぼし,かつ圧力指数が燃焼波の予熱帯におけるAN由来アンモニアの消費則と相関する燃焼反応モデルの提案である。また,硝酸銅,硝酸カルシウムをANと複塩化することによる,圧力発生挙動の向上効果とANの相安定化効果についても検討,評価を実施した。
これらの研究成果は,ANの火工品分野における応用拡大に寄与し得る貴重な検討結果であり,今後の発展が期待出来る事から,奨励賞に推薦する。
対象論文
「A study on ammonium nitrate-metal nitrate double salts as oxidizers for gas generating agent」
- Sci. Tech. Energetic Materials, Vol.71, No.2, pp.39-43(2010)
「Combustion mechanism of guanidine nitrate, ammonium nitrate, and basic copper nitrate mixture」
- Sci. Tech. Energetic Materials, Vol.71, No.4, pp.83-87(2010)















