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ナノテクノロジーに関する認知・態度・行動

p1タイトル: 「ナノテクノロジーに対する認知・態度・行動についての定点観測: 2005 ~ 2009年 (ver.1.0)
著者: 岸本充生、高井亨、若松弘子
発行: 2010年6月

 

 

結果の概要

ナノテクノロジーという言葉を「聞いたことがある」と「たぶん聞いたことがある」を合わせた数字で見てみると、2006年以降、95%程度で安定している。諸外国でのデータと比較すると、早い時期から極めて高い。

ナノテクノロジーに対する印象も、2005年から2009年まで一貫して、8割の人が好印象を持っている。これは、好印象の人の割合が2割以下である遺伝子組換え技術と比較すると顕著である。

ナノテクノロジーが使われた製品、あるいは「ナノ」と表示された製品を購入したり、使用したりしたことがあると回答した人の割合は、2005年の11%から、2009年の32%まで3倍に伸びた。ただし、2008年から2009年には伸びはわずかであり、商品へのナノ訴求が減ったことを反映していると思われる。

化粧品・ヘルスケア商品、食品・飲料水、家電製品、スポーツ用品、家庭用洗剤について、ナノ表示によって購入意欲がどう変わるか尋ねた結果、家電製品で4割以上、スポーツ製品、化粧品・ヘルスケア商品、家庭用洗剤では3割以上がポジティブな回答であったのに対し、食品・飲料水では2割程度にとどまった。逆に、食品・飲料水では約2割がネガティブな回答を行った。どの製品群でも「変化なし」が多数派である。

ナノテクノロジーについての情報を与えた上で、ナノテクノロジーを含む様々な技術の、日本社会にとってのプラスとマイナスをそれぞれ7段階で評価してもらったところ、ナノテクノロジーは携帯電話と非常に近い位置づけであることが分かった。3年間で有意な変化はみられなかった。個別製品への適用について、化粧品、食品、家電製品、医薬品を例に、期待される効果を挙げたうえで、日本社会にとってのプラスとマイナスをそれぞれ7段階で評価してもらったところ、医薬品と家電製品では約8割の回答者がポジティブな評価をしている反面、化粧品と食品では約6割にとどまる。化粧品と食品ではネガティブな評価をする回答者の割合は1割を超えた。

ナノテクノロジーについてのステークホルダーごと(行政機関、産業界、研究者)に、信頼性を6種類に分けて尋ねたところ、全体的にネガティブな回答が多かった。しかし、専門知識を持っているという側面については、産業界と研究者について40%近い回答者がポジティブな回答をしている。