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文化功労者

  • 2010年11月04日受賞

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受賞理由

環境リスク管理学の分野において、『人の損失余命』と『生物種の絶滅確率』という人の健康と自然環境に対するリスク評価軸を提案・確立するなど、定量的な環境リスク評価と環境リスクマネジメントの研究において優れた業績を挙げ、斯学の発展に多大な貢献をした

受賞報告

2010/10/26

20101026私は平成22年度文化功労者に選ばれました。11月4日に顕彰式があり、その後天皇陛下ご主催の皇居でのお茶会に招待されることになっております。

詳しくは11月4日の式が終わりましてから書きますが、文化審議会の推薦文の冒頭には「環境リスク管理学の分野において、『人の損失余命』と『生物種の絶滅確率』という人の健康と自然環境に対するリスク評価軸を提案・確立するなど、定量的な環境リスク評価と環境リスクマネジメントの研究において優れた業績を挙げ、斯学の発展に多大な貢献をした」と書かれています。

私が選ばれたことも驚きですが、それ以上に、環境リスク評価・管理という研究分野でこのような権威あるものに選ばれたことに、ただただ、驚いています。

私の行ってきた研究は、在来の伝統ある学問とはひどくかけ離れています。一つのことを突き詰めて、新しい発見に至るというのではなく、多くの知識を集めてそれらを体系化し、我々が進むべき道の指針にしようとする研究です。

在来の科学がかっちりした枠組の中で作られ、正しさが証明されるのとは異なり、枠組自体が研究対象であり、しかもそれは相当のやわらかさを持っています。それにも拘わらずこの研究結果を認めて頂いた、そのことに驚き、感激します。

同時に、科学はもっと現実の複雑な問題、人類が苦しんでいる現実問題に真正面から向き合い、その解決に貢献せよという強いメッセージを感じます。

先日、野間口有(のまくちたもつ)理事長に報告に行きました。その際、理事長は「数年のうちに、ノーベル賞もこういう分野を選考対象にするだろう。時代は確実にその方向に進んでいる」と言いました。

そうか、そういうことか、時代が必要としている研究として選ばれたのだとひとつ納得がいきました。

私の研究は未熟です。どう見ても足りないところばかりで恥ずかしいです。しかし、今回文化功労者のような権威のある大きなものに選ばれることができました。これは、時代が選んでくれたと思っています。科学は、もっとこういう問題に取り組めという意味で選ばれたと思います。

特に私の研究を推薦する大きな団体があるわけでもありません。それにも拘わらず選ばれました。未だに、どなたが私を選ぶことに賛成してくれたのか全く見当もつきません。時代の舵を切るという強い意思で、選考委員の皆さんが選んで下さったと思います。

そのことに敬意を表し、今後とも精進を続けたいと思います。

この栄誉は、家族と友人、同僚、さらには積極的に研究支援をして下さった文科省、経産省、JST、 NEDO、 産総研の関係者の皆さんと分かち合うべきものと思っています。皆様、本当にありがとうございました。

(詳しくは、11月5日に書くことにいたします)