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TX・バス通勤者のタイムトラベル(追記)

メンバー 五十嵐 卓也
昨年11月のコラムで、『常陸国二宮は、茨城県那珂市に所在する静神社(静とは古代織のことらしい。)』と書きました。静とは、麻、カラムシ、コウゾ等の植物の繊維そのものの色合いを生かした縞(しま)織りであったと推定され、静岡県静岡市の地名の由来である賎機山(しずはたやま)もこの織物の生産に関係するそうです。常陸国二宮である静神社は、古代の茨城県北部にも産業技術の拠点があったことを示しています。境内には、東京織物卸商業組合が寄進した織姫像があり、今も繊維産業とつながっているようです。

こうした観点から更に調べてみると、那珂市の北の常陸太田市には、長幡部(ながはたべ)神社が所在しています。長幡とは、静よりも後の技術による絁(あしぎぬ、古代の絹織物)の名前で、のちの常陸紬(ひたちつむぎ)、更にのちの結城紬(ゆうきつむぎ)の御先祖になります。長幡部とは、この絹織物の生産技術をもった渡来系の一族のようです。また、常陸国三蚕神社として、つくば市に蚕影(こかげ)神社、日立市に蚕養(こがい)神社、神栖市に蚕霊(これい)神社が所在し、養蚕の起源、金色姫伝説を伝えています。


昨年11月のコラム
では、また、『「尊徳の馬鹿堀」で検索すると、関連のウェブページがいくつか見つかります。つくば市のサイトから関連ページが消えたのは、用語問題のためかもしれません。』と書きました。アメリカ・サンフランシスコの非営利団体Internet Archiveは、インターネット上のコンテンツをひたすらアーカイブしています。そのウェブサイト http://archive.org/ のWayBackMachineに、失われたつくば市のウェブページのURLをインプットしてみると、2009年4月14日のスナップショットが保存されていました。

http://web.archive.org/web/20090414024034/http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/53/370/570/000602.html
画像や音声ファイルまでは保存されていませんが、リンクをたどると、「尊徳の馬鹿堀」を含む「つくば昔話」全30話を読むことができます。この「つくば昔話」のトップページには、『現在でも書店でお求めいただけます。…市のコンテンツはほとんど2次利用可能としておりますが,「つくばの昔ばなし」のコンテンツだけは,無断使用・複製を禁じます。』という記述があり、つくば市のサイトから関連ページが消えたのは、用語問題ではなく、出版社との契約の問題ゆえであったと推測できます。

アーカイブされたコンテンツは、google等では検索できず、URLを知らないと調べられないのは残念ですが、Internet Archiveが著作権についてどう考えているのかはともかくとして、時間の経過と共に失われた過去の有用なウェブコンテンツへのアクセスを不完全ながらも可能にしてくれているのは、ありがたいことです。