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計画停電と空調節電対策(速報)(9): 行動の変化(サマータイムなど)

グループ 社会とLCA研究グループ
メンバー 井原 智彦

変更(2011年6月15日): 量が多くなったため分割し、打ち水を別ページに移動しました。

(10) 生活時間のシフト

電力需要

生活スケジュールの1時間前倒し(いわゆるサマータイム)は、夕方に事務所の空調を若干削減するものの、家庭の空調を大幅に増加させるため、逆効果となる可能性があることが分かりました。

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図29 生活時間を1時間前にシフトさせた場合の需要カーブ(最大電力需要日)

逆に1時間後ろ倒しした場合は、15時にわずかに増加しますが夕方は減少するため、他の対策と組み合わせれば、有効な手段となる可能性があります。

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図30 生活時間を1時間後ろにシフトさせた場合の需要カーブ(最大電力需要日)

なお、-2,-1,0,+1,+2時間程度の生活時間のシフトが業務分野の最大電力需要を削減する効果が小さいことは、原ほか12)によって指摘されています。

産業部門を含む電力需要(参考)

生活スケジュールのシフトは、産業部門の電力需要にも影響を与えます。

産業部門の需要カーブをずらして、上記の結果に加算したのが、下に示すグラフです。

上記と同じように、1時間前倒しは、最大電力需要発生時刻を14:10から16:20に移動させ、最大電力需要時刻での比較では、産業で9%、業務で6%削減する一方、家庭で17~20%増加し、その結果電力需要はわずかに増加する結果となりました。同じ16:20どうしの比較でも、産業で6%、業務で3%削減する一方、家庭で17%増加しました。

最大電力需要を抑えるためには、退社後、屋外で過ごしてから帰宅する、あるいは帰宅後、暫くエアコンを控える必要があります。

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図31 生活時間を1時間前にシフトさせた場合の産業を含む需要カーブ(最大電力需要日)

逆に1時間後ろ倒しした場合は、最大電力需要発生時刻を14:10から15:00に移動させ、産業・業務でわずかに増加、家庭で1~2%増加、その結果全体で1%程度増加しました。同じ15:00どうしの比較でも、家庭で1~2%、業務でわずか、産業で1%程度増加しました。

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図32 生活時間を1時間後ろにシフトさせた場合の産業を含む需要カーブ(最大電力需要日)

(11) 輪番シエスタ

昼休みを、建物単位で12:00-13:00、13:00-14:00、14:00-15:00の3交代制として、昼休み中は、エアコン以外の一切の電力を消費しない(照明、パソコン、エレベータなどすべて)とした場合の結果です。

室内が暑いと寝ることすらできないため、また、熱負荷の蓄積によるエアコン電力の急増を避けるため、昼休み中もエアコンは通常通り運転する設定としています。

完全昼休み(シエスタ)中に、業務の電力が大きく下がり、電力需要も下がります。ただし、最大電力需要は15時以降に出現し、基準ケースに比べて1%減にとどまります。

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図33 輪番シエスタを実施した場合の需要カーブ(最大電力需要日)

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