ホーム > 部門紹介 > グループ紹介 > 爆発衝撃研究グループ

爆発衝撃研究グループ

爆発衝撃に関する物理・工学の研究を中心に、爆轟や衝撃波の物理・化学、動的衝撃圧縮の物質工学への応用、など広く爆発安全に関連する科学・工学の基礎を研究しています。また火薬類の行政対応の研究ニーズが多いことから、当グループのポテンシャルを生かした野外での大規模実爆実験を実施しています。最近のテーマとしては、火薬類の衝撃感度試験や新型火薬庫の保安距離に関する安全性評価研究などがあります。

固体および液体などの凝縮系中の爆発・衝撃現象を主な研究対象としています。レーザー衝撃波や高速時間分解計測による爆発現象の解明や高性能爆薬などの起爆機構の研究を基礎研究として、高エネルギー物質の爆発安全に関する研究、新しいタイプの火薬庫の開発、爆風や飛散物、地盤振動などによる爆発影響を低減する技術の開発などの安全研究を行っています。また原子力施設関連の水中構造物を対象にして水中爆発による衝撃応答特性評価に関する研究も行っています。さらに、行政的国際的ニーズに対応するために、野外での大規模爆発実験も実施しています。

火薬類の保安技術関連では、社会情勢の変化に伴う取り扱い上の問題点について基礎的資料を収集し、これまでの実験結果から生じた問題点を解決して科学的合理性のある保安基準の整備、拡張を図ることを目的に火薬類保安技術実験(爆発影響低減化実験)を行っています。

煙火火薬庫などで使用される防爆壁は爆発の際に多量の飛散物を発生する虞があることから、その解決策として新しい高耐力の防爆壁や既存の防爆壁を補強改良する方法について野外での大規模実験を行っています。また、火薬庫周囲の宅地化が進んで、火薬庫と住宅の間隔が十分に確保できない状況を想定して、地下式火薬庫という新しいタイプの火薬庫の安全性検討実験も行っています。

今までの実験から、地下式火薬庫は、地上式火薬庫の保安距離よりも短くすることが可能であるとの結果が得られており、今後さらにデータ収集を継続する予定です。

この他、2つの貯蔵室の間に隔壁がある構造の火薬庫について、隔壁厚さと爆発の伝えやすさの関係を検討し、実規模火薬庫で隣室に爆発が伝わらない厚さを評価できるほど信頼性の高いデータを集積しました。

隣室爆発を防止することができれば、貯蔵量を2倍にすることが可能になります。再処理工程に係る高エネルギー物質の爆発安全性評価技術に関する研究では、爆発影響データの取得・データベース化と反応機構評価システムの開発を行っています。

前者に関しては、ヒドラジンと硝酸ヒドラジンの混合割合を変えた試料を内径20 mmの塩ビ管容器に注入し、同じく内径20 mmの塩ビ管に装填したComposition C4爆薬約10 gで起爆する水中爆発試験を実施し、基礎的なデータを収集しています。

後者については、開発したレーザー誘起衝撃圧縮実験装置を応用して、反応機構を分子レベルで詳細に調べるために時間分解型ラマン分光装置を開発し、不活性有機液体である四塩化炭素(CCl4)の衝撃圧縮下における微視的な圧力応答をラマン分光法によって測定し、装置の有効性を確認しています。

この他に、テロ対策のための爆発物検出・処理統合システムの開発/爆発物の処理容器の開発を行いました。これにより爆風と爆発飛散物の低減手法を検討しました。爆風圧低減化について数種類の緩衝材を用い、100gから1kg程度の薬量の爆発による爆風の低減効果の評価を行い、ある密度において最大の減衰効果が得られることを明らかにしました。

さらに、環境に優しい生分解性発泡緩衝材を用いた爆風圧低減化手法とその減衰特性を検討しました。爆発飛散物低減化については、モデル破片のサイズを変えて破片モデルが停止するまでの緩衝材の厚さを検討しました。砂を防護材として用いた場合に、破片サイズ、破片速度、防護材厚さを変数として破片を停止させる条件を求める一般的な経験式を得ています。

年報