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持続可能性ガバナンスグループ

持続可能で安全な社会に向かうために、行政部門、企業部門、一般市民それぞれが合理的な意思決定を行うことが可能となるような各種評価手法を開発し、それらが社会に実装されることを目標としています。

グループの研究課題は、評価研究制度設計研究の2つに分けることができます。両者が合わさって初めて、合理的な意思決定とそれらの社会への実装が実現します。また評価研究は、評価の対象が新規技術であるものと、政策や規制であるものに分けられます。そのため、持続可能性ガバナンスグループが扱っているテーマは3つにまとめることができます。

1つ目は新規技術の評価研究です。新しい技術が社会に導入される前の段階で、起こりうる様々な(悪)影響を予測する手法を開発することを目標としています。新規技術の中でも、特に工業ナノ材料に焦点を当てて、それらの安全性を事前に確保するために必要となる有害性評価手法およびリスク評価手法の開発を行っています。従来の化学物質リスク評価と違って、工業ナノ材料はその新規性、多様性、説明責任といった観点から、事業者による自主安全管理の重要性が増すとともに、経済開発協力機構(OECD)や国際標準化機構(ISO)における標準化の議論の重要性が増しています。そういった多面的な観点からのアプローチ、すなわちガバナンスの視点が必要不可欠になっています。

2つ目は制度設計研究です。従来の工学的なアプローチや、法規制によるアプローチに加えて、人間や組織の持つインセンティブ(誘因)を効果的に利用することで、環境や安全を向上させるための仕組みの提案を行っています。環境問題については、主に、温室効果化ガスの排出抑制を扱っています。例えば、全上場企業を対象として株式保有に基づいた温室効果ガス排出責任量の割り当て評価を実施するとともに、環境に配慮した投資先選定指標の開発を行っています。安全問題については、主に、労働事故抑制を対象としています。例えば、事故報告書の精査、企業データを用いた統計分析、関連法令調査を通じてインセンティブを利用した事故抑制手法などを検討しています。

3つ目は、政策や規制の評価研究です。環境や安全に関する政策や法規制による各種影響を事前に予測するための手法や制度化の研究を行っています。手法開発としては、環境規制の産業別影響評価モデルを開発し、温室効果ガス排出規制と各種産業影響緩和措置の実施に伴うステークホルダー間のトレードオフ構造を定量的に予測しています。また、公的意思決定において規制影響評価政策評価が現状よりももっと活用されるための制度を検討しています。

持続可能性ガバナンスグループでは、各人が研究テーマや研究スタイルを確立し、狭くてもその分野の第一人者になることを目標としています。また、当グループは、社会科学出身のメンバーが自然科学的な研究に従事したり、自然科学出身のメンバーが社会科学的な研究に従事したり、学際性が強いという特徴を持っています。このため,当グループでしかできないような特徴ある成果を目指すだけでなく,様々なプロジェクト内外での橋渡し役も務めたいと考えています。