ホーム > 部門紹介

部門紹介

持続可能な社会実現に向けた評価研究部門

uid000035_2013051309215052c3770c

産業技術総合研究所 安全科学研究部門(AIST RISS)は2008年に発足した研究部門です。評価技術の開発を中心にして、安全で持続的発展可能な社会の実現に貢献することをミッションにしています。例えば、化学物質は工業製品として日常生活で身の回りにあるほか、工業原料として工場で使用されたりしています。化学物質の利用には様々な利便性や効用(ベネフィット)とともに、リスクも伴います。工場では、化学物質自体の可燃性が火災や爆発の原因になったりします。また、使用を終えて廃棄されたり、工場の事故により飛散したりした化学物質が、人体や環境に影響を与えることもあります。この関係を明らかにし、どのリスクをどのように減らせば、総合的にベネフィットが最大でリスクが最小になるかを評価するのが安全科学です。リスク評価の対象は、現存する化学物質にとどまらず、今後の産業にとって重要なナノ材料などの新規物質や新技術も含まれます。

持続的発展可能性については、温暖化をはじめとする地球環境への影響を考慮することが第一ですが、同時に、経済的に成立しうるのかという検討も必要です。また、経済性を議論する場合には、産業活動についての検討が必要になります。安全で持続的発展可能な社会の構築のためには、複雑に絡み合った因子の関連性を解析して、それぞれの因子のリスクとそのトレードオフの関係を明らかにした上で、どういう方策をとるのがベストかを判断する必要があり、そのための判断のツールを提供するのが安全科学の役割になります。災害に強い社会・経済システムの構築というのは、現在の緊急の課題ですが、市民の安全確保や産業活動の継続に関して、どのようなリスクがあり、それをどのように管理して行けば良いかの指針を示すのも安全科学の使命です。

安全科学研究部門では、事故や災害の被害予測、技術や製品の健康・環境・経済への影響評価など、幅広い分野にわたる評価技術を総合し、科学的な評価のみならず、社会的な評価も同時に行う、総合的なリスク評価・管理手法を開発することを通じて、安全で持続的発展可能な社会の実現に貢献して行きます。