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部門長挨拶 2014年

安全科学研究部門長 本田 一匡

部門長

  2014年10月1日付で四元部門長の後任として部門長職を拝命しました。初代の中西部門長(現・産総研フェロー)から数えて三代目となります。「名家三代続かず」「三代続けば末代続く」という諺があるように、三代目は分水嶺にさしかかる時期のようです。先々代、先代の築いた路線に安住し財産に甘えていると政権や経営は傾き、自分達の本分は何かという原点に立ち返り着実に基盤作りを心がけると安定と繁栄を迎えるようです。科学文明は発展しましたが、こういう人間や社会の本質は数千年の間あまり変わっていないのではないかと考えています。
   その科学文明は21世紀に入り明らかに転換点を迎えています。私が研究所に入った頃、Nature誌にオゾンホールに関する論文が発表されました。南極上空の衛星画像に衝撃を受けたのを今でも覚えています。あれから四半世紀以上が経ち、人類の活動が地球規模の環境変動を引き起こす支配的な原因として受け入れられるようになりました。また、東日本大震災を契機として人々の安全・安心に対する関心や考え方が大きく変化したように思います。
   安全科学研究部門は、ハザードやリスクに対する安全と社会やシステムの持続可能性を同時に追求する科学を確立し、豊かで安全な社会の実現に貢献することをミッションにしています。まさしく時代の要請に正面から取り組むことを看板に掲げているといえます。問題は大きく複雑ですから、複数の要因のどれに重きを置くかによって複数の解があり得ます。我々は、その解を科学的な手段によって評価するための手法を開発しデータを提供していくことを研究の目的としています。
   当然のことながらデータは信頼できるものでなければいけません。自分たちが取得するデータは事実に忠実で客観性が確保されている必要があります。他人のデータを使用する際は何に使えてどこから先には限界があるかを見極める洞察力と感性が必要です。このような科学者の原点を心に留めて組織を強化し実績を積み重ねていきたいと考えています。また、評価のプロセスと結果とその使い方をよく理解してもらうための活動をこれまで以上に行っていきます。手法とデータを提供するだけでなく、時代をリードする役目も担って欲しいというご期待に答えるため、リスクに対する新しい考え方とそれを社会に受け入れてもらうための方法論についても部門内で議論と実践を始めています。自然科学だけでなく人文科学の力も必要な課題ですので異分野の研究者達との連携を深め、より魅力的で存在感ある安全科学研究部門となるよう貢献していく所存です。
 安全科学研究部門長

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