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ポリシーステートメント

2020年6月

 研究部門長 緒方雄二

1. ミッション

ゼロエミッション社会を目指した技術革新を図るための研究開発を実施するエネルギー・環境領域の一員として、領域ミッションである「経済成長と環境保全、産業保安の両立」に貢献する評価や評価技術の開発を行う。化学物質や材料、エネルギーのリスク評価・管理手法を開発するとともに、産業事故の防止及び被害低減化に向けた技術開発を行う。

2. 研究開発の方針

(1) 中長期目標・計画を達成するための方策

(a)社会課題の解決に向けた研究開発

第5期中長期目標期間において社会課題の解決に向けて全所的に取り組む研究開発の一つに取り上げられているエネルギー・環境制約に対応するために、以下の2つの部門重点課題を設定する。

① 安全な社会を支えるリスク評価研究

SDGsなど社会の持続可能性への関心から、世界のバリューチェーンに関わるリスクの管理ニーズが急速に高まっている。また、従来とは用途が異なる物質、新たな化学物質の爆発的増加など産業実態や社会環境の変化等への対応も求められている。本重点課題では、これらの背景から自主的管理や法令改正、政策等を支援する研究開発を行う。

② 技術の社会実装を支援する評価研究

社会的課題解決には技術のイノベーションによる新規材料・技術等の社会実装が急務であるが、「経済成長と環境保全、産業保安の両立」への社会実装に際して、それらの利用による影響を多面的に俯瞰した科学的根拠が必須である。本重点課題では、これらのニーズに応え、イノベーションを支える将来技術等に対して公平かつ透明性があり科学的根拠に基づく的確な評価や評価技術を開発する。

(b) 社会課題の解決に向けた橋渡しの拡充

社会的課題解決及び技術の社会実装には、単独の技術による課題解決ではなく、より複雑な技術の組み合わせ、システムによる解決策や複数の解決シナリオ等の提示が必要となる。そこで、融合ラボや融合センターとの兼務等による協働を積極的に行う。また、民間ニーズに直接応える研究も行うことで、新たな評価基盤の研究や行政ミッション対応だけではないバランス感をもって研究に取り組む。技術コンサルティングやコンソーシアム等の産学官連携制度や研究スキームを活用しながら、行政、民間企業等との連携活動を積極的に推進する。

(c) 社会課題の解決に向けた基盤整備

学生や企業人を対象に、知識・技術の修得を目的とする育成を第5期も引き続き実施する。イノベーションスクールやリサーチアシスタントなどの育成制度の積極的な活用を図る。

(2)令和2年度の重点化方針

1)安全な社会を支えるリスク評価研

化学物質や材料、エネルギーの環境リスクやフィジカルリスクに関する評価研究として、マイクロプラスチックの環境リスク評価に関する研究を開始し、リスク評価の各段階における問題点を明らかにする。

2)技術の社会実装を支援する評価研究

あらたに2015年をデータ基準年とし、化学プロセスデータの更新等によりLCAのインベントリデータベースIDEAを更新する。

3. マネージメントの方針

(1)運営方針と体制、他領域、他ユニットとの協力

1)専門性の深化、高度化と拡張

ナショナルセンターとして認識されていることを自覚して研究開発を行う。特に専門性の深化、高度化、拡張を常に意識しながら、先進性、独立性を維持する。LCA、化学物質リスク評価、フィジカルリスク評価に資する研究については、評価基盤と位置づけ、継続的に研究開発を行う。

2)新しいこと、新しい分野にチャレンジできるエフォート管理

専門性の深化、高度化、拡張に必要な新たな研究課題にチャレンジするためにも、各自が一定量のエフォートを新規課題検討に振り分ける。

3)研究グループ長中心の運営体制

研究グループ長を研究主導、人材育成、マネージメントのキーパーソンとする部門運営を引き続き推進する。

4) オープンイノベーション

技術やシステムのリスクや安全性評価は、個別のフィジカルリスク、環境リスク、環境性能を超えた幅広い分野横断的な検討が必須である。評価基盤的な部分の研究を担いつつ、企業等との多様な連携において産総研内外のアイデアを有機的に結合させ、評価等による価値の創造を目指す。

(2)成果の発信、普及の方針

部門のホームページやニュースレターを通じて、分かりやすく質の高い情報の発信に努める。また、本部門が取り扱う情報の性質に鑑み、誤解される可能性のない表現を徹底する。部門講演会を開催し、産業界への研究成果の発信に努める。

(3)個人評価(短期評価)の方針として重要視するもの

部門ミッションの遂行に貢献したことを示す活動実績を重視し、論文等のエビデンスに基づく評価を行う。成果を論文化する努力を促すとともに、橋渡しに対する貢献も評価する。また、前年度と比較した研究者の成長についても考慮する。

4.リスク管理・コンプライアンスに関する基本的考え方と具体的な取り組み

(1) 基本的な考え方

リスク管理、コンプライアンス強化や情報セキュリティ対応のために、規程類の改正や策定が頻繁に行われている。それに呼応して理解を深めるためのeーラーニング等の教育・研修が行われている。規程類やルールの不知・不実施による違反事例が起きないよう、部門内の会議やユニット長巡視など、機会あるごとにその趣旨の理解も含めて周知徹底を図る。

(2) 外部連携

技術研究組合や民間企業との連携を推進するため、安全管理体制の構築や職員のエフォート管理の徹底をはじめ、リスク管理やコンプライアンス強化に向けた必要な措置を講じる。

(3) 研究記録

研究不正の疑念を持たれないことや適切な知財管理を行うことのため、産総研の研究ノート運用を徹底する。また、退職者・辞職者の研究データの取り扱いについても産総研の制度や運用に従う。

5.内部人材育成の取り組み

若手職員に対しては、プロジェクト参加によるOJTと、萌芽的研究への挑戦により成長を促す。また、任期付研究員の研究進捗状況報告会を定期的に開催し、研究の進捗をモニターするとともに、プレゼンテーション力向上等の指導を行う。

中堅職員については、幅広い知識を修得して自らの専門分野を俯瞰できるとともに、国の委員会等でも活躍できる専門家となるように育成する。人事部が主催する研修への参加も奨励する。また、海外の研究機関等への留学・出向を積極的に進め、国際的人材の育成に努める。

新規人材の発掘と採用の取り組みを引き続き強化する。関連する大学等を対象とした見学会の企画や学会などを活用し、有望な人材のリクルートや部門をPRする活動を積極的に行う。

6.業務改革への取り組み

(1)業務効率化

出張・調達等の申請に対し迅速な承認を行う。また、部門会議や各研究グループの会議開催も最小限として、効率的に運用する。その他、各種業務の効率化策の提案、実施、横展開を行う。

(2)過重労働の回避

職員の健康を損ね、創造性の低下をもたらす過重労働を回避するために、日頃から定時退庁を励行し、特に、定時退庁日である水曜日は、定時退庁を奨励する。また、有給休暇の積極的な取得を奨励する。加えて、デスクワークを主体とした評価研究従事者が多いことを鑑み、テレワークなどの業務遂行形態についても積極的に検討する。

7.スペース利活用の計画

産総研の別棟閉鎖計画に沿って、つくば西業所、第5事業所及び北サイト等の実験関連施設の利用計画を検討する。

以上