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ポリシーステートメント2011

安全科学研究部門ポリシーステートメント 2011年度

 


2011年7月

研究部門長 四元弘毅

1. ミッション

産総研ミッションとの関係

安全科学研究部門は、安全と持続可能性を同時に追求する科学を確立し、豊かで安全な社会の実現に貢献することをミッションにしています。21世紀型課題の解決のためイノベーションを推進する産総研の一員として、イノベーションを推進するための評価・管理技術を担当することになります。
これまでに引き続き、「評価なくして安全なし」、「評価なくして持続可能な社会なし」、「評価なくしてイノベーションなし」を本部門のモットーにして取り組んで行きます。

ミッションのブレークダウン

安全科学研究部門のミッションをより具体的に書き下すと以下の通りです。

  1. 環境保全・安全のための評価手法を開発し、確かなデータを提示する。
    産業災害、環境リスク、ライフサイクル評価の分野で影響評価手法を開発し、同時に評価に不可欠となる信頼性の高い基盤データを収集し、これらを蓄積しつつ適切な解析を行うことにより、評価結果を公表する。
  2. 融合研究とリスクトレードオフ解析の研究を進める。
    従来の化学物質リスク研究、爆発安全研究、LCA研究の枠に捕らわれることなく、領域融合的な課題に取り組む。安全性、環境リスク、持続可能性、経済的影響などの多様なリスクを評価し、複数の拮抗するリスク(リスクトレードオフ)の最適化を図るための評価・管理の枠組、戦略論を発展させる。
  3. 持続可能な社会構築に関する評価手法を確立し、普及を図るため研究を行う。
    気候変動、資源、生物多様性など、持続可能な社会構築のために必要となる評価技術の確立とその社会での活用方法について、実践的検討を行う。
  4. イノベーションを促進するためのリスク管理戦略を構築する。
    新技術の社会受容性、産業保安、環境分野でのガバナンス戦略などの分野で、理工学・社会科学・人文科学の境界を超えた、しかし現実的で政策提言につながる研究を行う。これにより、イノベーションを促進し、産業の国際競争力の強化に貢献する。
  5. データや評価結果の発信と社会での活用の道筋をつける。
    研究活動により蓄積されたデータ、開発した解析ツールなどを使い易いかたちで社会に提供し、評価結果の公表により、市民・地域・産業・行政、及び国際機関などの合理的な意思決定・基準策定を助ける。

 2.研究開発の方針

中期目標・計画を達成するための方策

産総研の第3期中期計画では、本研究部門は以下のパートを担当しています。
Ⅰ-3.資源の確保と高度利用技術の開発
(3)-①マテリアルフロー解析
Ⅰ-6.持続発展可能な社会に向けたエネルギー評価技術、安全性評価及び  管理技術並びに環境計測及び評価技術の開発
(2)持続発展可能な社会と産業システムの分析
(3)先端科学技術のイノベーションを支える安全性評価技術、安全管理技術(4)産業保安のための安全性評価技術
(5)化学物質の最適管理手法の確立
Ⅳ-2.知的基盤としてのデータベースの構築と活用
(3)社会の持続的な発展を支援するデータベース

基本的に外部資金による研究プロジェクトの遂行を通じて、上記中期計画を達成して行きます。研究については、内部・外部のreviewを徹底します。また、評価結果を社会で生かすためには、その評価の基となる理論や考え方を同時に出すことを重視して、研究プロジェクトを推進します。

また、ミッションのブレークダウンでも述べましたが、融合研究により多様なリスクを評価し、リスクトレードオフの最適化を図る研究を推進します。

平成23年度の重点化方針

以下を重点的に推進します。
1)新技術のリスク評価
ナノ材料のリスク評価とリスク管理の研究を引き続き実施するとともに、温暖化係数の小さい新冷媒や次世代エネルギーとして期待されている水素等、新技術のリスク評価の研究や、大規模災害に対応するリスク、LCA、ハザード評価の融合課題に取り組んで行きます。
2)評価・管理技術のアジア展開
地球環境を保全し、持続可能な社会を実現するためには、国際的な連携が不可欠です。このため、特に我が国と関係が深いアジア地域において、リスク評価・管理手法や持続性の評価手法を開発・展開して行きます。
3)つくばイノベーションアリーナ(TIA)事業の推進
ナノ安全の研究を中心として、技術研究組合単層CNT融合新材料研究開発機構(TASC)と連携しながら、TIAにおける研究プロジェクトを引き続き推進して行きます。

3.マネジメントの方針

① 運営方針と体制

3月の震災を受け、研究の再構築が急務となっています。安全科学研究部門では特に大電力を必要とする施設はありませんが、シミュレーション用のサーバーの集約やスペースの有効利用を推進し、研究再構築を進めて行きます。
部門運営においては、部門内のコミュニケーションを重視して、研究の進捗やコンプライアンス強化に役立てて行きます。
また、産総研内の他の研究センターや研究部門との協力体制を維持・発展させ、産総研が『安全』と名のつく研究を実施する場合のスタンダードを確立したいと思います。同時に、外部の諸機関との連携も推進して行きます。

② 成果の発信、普及の方針

引き続き、部門のホームページやニュースレターを通じて、質の高い情報の発信に努めます。また、本部門が取り扱う情報の性質に鑑み、誤解される可能性のない表現を徹底して行きたいと思います。
さらに、社会情勢が急速に変化している現在、社会や行政のニーズを的確に把握するため、部門ホームページ等を積極的に活用し、広く意見の集約に努めたいと思います。

4.リスク管理・コンプライアンスに関する基本的考え方と具体的な取り組み

産総研内において、リスク管理やコンプライアンス強化に向けたルール作りが行われ、役立つ便利なツールも整備されています。これらのツールを活用しながら、産総研ルールを徹底します。
また、技術研究組合や産総研ベンチャーとの連携を推進するため、安全管理体制の構築や職員のエフォート管理の徹底をはじめ、リスク管理やコンプライアンス強化に向けた必要な措置を講じます。