NEDOプロジェクト
ナノ粒子特性評価手法の研究開発
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研究開発項目

4. 工業ナノ粒子のリスク評価及び適正管理の考え方の構築
(2)ナノテクノロジーの社会的受容性に関する研究

実施者(所属)

岸本充生、高井亨(独立行政法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門)

研究目的

新規技術である,ナノテクノロジー,特に,工業ナノ材料の潜在的なベネフィットを享受し,リスクを最小限にするためのガバナンスのあり方を提案する.そのために次のような目的を定めている。

  1. 一般市民の認知や態度についてアンケート調査を用いて追跡調査する
  2. 一般人の認知や曝露評価のベースとなる消費者製品のインベントリを作成する
  3. 欧米の法規制の動向、欧米の事業者の自主的なリスク評価の動向を調査する
  4. 企業が自主的にリスク評価を実施するためのガイドラインを作成する

内容・成果

1)一般市民のナノテクノロジーやナノテク製品に対する認知や態度を追跡調査するためのアンケートを2005年度以来毎年春に実施しており,認知や購買行動の変化を追跡している.インターネットアンケート調査であるために,科学技術へのリテラシーにやや上方バイアスがあるものの,ほとんどすべての回答者がナノテクノロジーという言葉を知っており,半数以上がなんらかの知識を持っていると回答している.これは他の先進諸国と比べて非常に高い比率であり,日本の特徴となっている.また,80%の回答者がポジティブな感情を抱いている.実際にナノテク製品を使用したり購入したりした経験のある回答者は2007年の17%から2008年の30%に大幅に上昇した.しかし,「ナノ」特有のベネフィットを実感できた人はその半数にすぎなかった.つまり,ポジティブな感情の大部分は実感ではなく期待によって支えられていることが分かった.

ナノテク製品購入または使用経験者の割合

2)一般人の認知のもととなる消費者製品のインベントリを作成し,ウェブ上に公開している(http://staff.aist.go.jp/kishimoto-atsuo/nano/).使用されている材料やカテゴリーによる分類も行っている.日本の特徴の1つは,白金ナノコロイドを用いた製品が多いことである.

ナノテクノロジー消費者製品一覧

外部発表

誌上発表

岸本充生.「化学物質領域でのリスク管理の考え方と問題−リスク概念に基づくアプローチを阻害するのは誰か−」.日本リスク研究学会誌. 2009, 19(1): 29-36.

岸本充生.「化学物質領域でのリスク管理の考え方と問題点」.第2回横幹連合総合シンポジウム予稿集. 2008,17-20.

高井亨.「ナノテクノロジーに対する公衆のリスク認知とリスクガバナンス」.日本リスク研究学会講演論文集. 2008, 21: 33-38.

口頭発表

Kishimoto, A. Change in public perception and commercialization of nanotechnology products in Japan. Society for Risk Analysis 2008 Annual Meeting. Boston, USA, 2008-12-10.

岸本充生.「化学物質領域でのリスク管理の考え方と問題点 」.第2回横幹連合総合シンポジウム. 東京, 2008-12-05.

高井亨, 岸本充生.「ナノテクノロジーに対する公衆のリスク認知とリスクガバナンス」.日本リスク研究学会. 大阪, 2008-11-29.

岸本充生.「イノベーションのための評価戦略 −工業ナノ材料を例に」.産総研オープンラボ. つくば, 2008-10-21.

岸本充生.「工業ナノ材料のリスクガバナンス:日本の現状 」環境経済・政策学会2008年大会. 大阪, 2008-09-28.

Kishimoto A. The current status of public acceptance and risk governance of nanomaterials in Japan. Second World Congress on Risk. Guadalajara, Mexico, 2008-06-10.

Kishimoto A. Public acceptance and commercialization of nanotechnology products in Japan. Society for Risk Analysis 2007 Annual Meeting.San Antonio, USA, 2007-12-09.