NEDOプロジェクト
ナノ粒子特性評価手法の研究開発
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研究開発項目

2. 工業ナノ粒子の暴露評価手法の開発
(1)排出シナリオの構築
(3)暴露評価技術の開発

実施者(所属)

小倉 勇, 小林憲弘, 篠原直秀, 蒲生昌志 ((独)産業技術総合研究所 安全科学研究部門)

研究目的

工業ナノ材料の排出・暴露について, 文献調査, ヒアリング調査, 現場環境調査, 模擬排出試験などを行い, 排出・暴露の状況を把握するとともに, 排出特性を予測的に評価する方法を検討する. 排出・暴露シナリオ文書を作成し, 具体的なケースについて, 定量的に排出・暴露を評価する.

内容・成果

○現場環境調査
ナノ材料の製造現場や開発現場における気中への排出状況や暴露状況を把握するための調査を進めている(一部, (独)労働安全衛生総合研究所と連携). 測定項目の例を図1に示す. 元々の粒子がナノサイズでも, 粒子は凝集して大きなサイズとして存在しやすいことから, ナノサイズからマイクロサイズまで、広範囲のサイズの粒子を測定対象としている. 気中浮遊粒子を捕集し, 電子顕微鏡観察や化学分析による粒子の特定も行っている.

図1 現場環境調査の測定項目の例

図1 現場環境調査の測定項目の例

○模擬排出試験

現場環境調査にはいくつかの限界がある.

  • 現場の協力が必要で, いつでもどこでも調査ができるわけではない
  • 遍在するバックグラウンド粒子により, わずかな粒子排出の検出は難しい
  • ナノ材料は、新技術で発展途中の材料であり, 今後、規模や用途の拡大が予想される
  • 材料間の比較は難しい

そこで, ナノ材料粉体のハンドリング時における気中への排出しやすさを評価するための模擬的な排出試験を実験室で行っている. 試験の概要を図2に示す. ナノ材料を試験管に入れ, 攪拌器で攪拌するとともに, 清浄空気を試験管内に通過させ, 排出する粒子を測定する.

図2 ナノ材料の気中への模擬排出試験の概要

図2 ナノ材料の気中への模擬排出試験の概要

排出試験の結果の例として, 単層カーボンナノチューブ(CNTs)と二酸化チタン(TiO2)の排出粒子の粒径分布を図3に, 電子顕微鏡観察写真を図4に示す.

図3 ナノ材料の模擬排出試験:個数濃度粒径分布

図3 ナノ材料の模擬排出試験:個数濃度粒径分布

図4 ナノ材料の模擬排出試験:電子顕微鏡観察

図4 ナノ材料の模擬排出試験:電子顕微鏡観察

外部発表

Ogura I, Sakurai H, Mizuno K, Gamo M. Release and exposure potentials of super-growth single-walled carbon nanotubes during their manufacturing and handling processes. 4th International Conference on Nanotechnology- Occupational and Environmental Health. Helsinki, Finland, 2009-08-26/29.

Shinohara N, Ogura I, Gamo M. Exposure to fullerene C60 particles during handling in a pilot plant. 4th International Conference on Nanotechnology-Occupational and Environmental Health. Helsinki, Finland, 2009-08-26/29.

Ogura I, Sakurai H, Gamo M. Dustiness testing of engineered nanomaterials. Journal of Physics: Conference Series. 2009, 170: 012003. http://www.iop.org/EJ/abstract/1742-6596/170/1/012003

蒲生昌志、小倉勇、篠原直秀、小林憲弘. 工業ナノ材料の詳細リスク評価書の策定. 工業ナノ材料のリスク評価. NEDO-産総研-OECD合同シンポジウム, 東京, 2008-4-23.

Ogura I, Sakurai H, Gamo M. Dustiness testing of engineered nano-materials. 3rd International Symposium on Nanotechnology, Occupational and Environmental Health. Taipei, Taiwan, 2007-08-29/09-01.