NEDOプロジェクト
ナノ粒子特性評価手法の研究開発
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研究開発項目

1. 工業ナノ粒子のキャラクタゼーション手法の開発
(2)媒体中における工業ナノ粒子のキャラクタリゼーション手法の開発
エ.微少量試料に対する化学分析技術開発と工業ナノ粒子の体内分布の測定

実施者(所属)

田尾博明, 平川力, 中里哲也, 佐藤浩昭, 稲田征治, 田村守孝((独)産業技術総合研究所 環境管理技術研究部門)

研究目的

有害性評価試験の開発等に供する工業ナノ粒子の組成, 化学構造、活性酸素生成能等の測定方法を開発する.また有害評価試験の開発に用いた実験動物の体内での工業ナノ粒子の分布状況を測定する.

内容・成果

  1. カーボンナノチューブ(CNT)中の金属不純物(Fe, Ni, Crなど)の分析法を開発した. この分析法を用いて単層CNT中にFe, Niが100ppmレベル, Crが10ppmレベル含まれていることを明らかにした.
  2. ラット臓器中の酸化ニッケルおよびフラーレンナノ粒子の定量分析法を開発した. 酸化ニッケルおよびフラーレンナノ粒子を曝露させたラット臓器中の濃度は極めて低く, 高感度分析法が必要であった. そこで臓器組織からのニッケルおよびフラーレン濃縮分離法を開発し, ppbレベルの高感度分析法を確立した.
  3. 上記の分析法を用いて, 酸化ニッケルおよびフラーレンを気管内注入および経気暴露したラット肺中濃度の経時変化を測定し残留挙動を明らかにした. また, 気管内注入条件における肺から他臓器への移行量, および経気暴露条件における他臓器曝露量についても測定を行い, 酸化ニッケルおよびフラーレンの体内動態について調査を行った.
  4. ナノ粒子の大気中光照射による一重項励起酸素(O2(1Δg))の生成能評価手法を確立した. フラーレンや多層CNT, TiO2から生成されるO2(1Δg)の量子効率, 半減期を測定した.
  5. ナノ粒子の大気中光照射によるヒドロキシルラジカル(OH•)の生成能評価手法を確立した. NiOやTiO2などの金属酸化物から生成されるOH•の量子効率, 半減期を測定した.
  6. 水溶液中に分散されたナノ粒子TiO2の表面に定常的に生成される主要活性酸素種であるヒドロキシルラジカルおよび過酸化水素の定性および定量分析法を確立した.

フラーレン気管内注入ラット肺試料の分析例, 大気光照射条件におけるC<sub>60</sub>、多層CNTのO<sub>2</sub>(<sup>1</sup>Δ<sub>g</sub>生成の量子効率と半減期

外部発表

口頭発表

Fujita K, Morimoto Y, Ogami A, Myojyo T, Tanaka I, Shimada M, Wang W, Endoh S, Uchida K, Tao H, Inada M, Nakazato T, Tamura M, Yamamoto K, Fukui H, Hayakawa M, Horie M, Yoshida Y, Iwahashi H, Nakanishi J. Gene expression profiling for toxicological assessment of manufactured nanoparticles in rat lung. Korean Environmental Toxicology Meeting 2008. Seoul, Korea, 2008-10-31.

藤田克英, 森本泰夫, 大神明, 明星敏彦, 田中勇武, 島田学, Wei-Ning Wang, 遠藤茂寿, 内田邦夫, 衣笠晋一, 加藤晴久, 高橋かより, 田尾博明, 稲田征治, 中里哲也, 山本和弘, 福井浩子, 堀江祐範, 吉田康一, 岩橋均, 二木鋭雄, 中西準子. ナノ粒子の生体影響評価への遺伝子発現解析の可能性. 第14回バイオアッセイ研究会・日本環境毒性学会合同研究発表会. つくば, 2008-08-28/29.

Fujita K, Morimoto Y, Tanaka I, Endoh S, Tao H, Akasaka M, Yamamoto K, Fukui H, Hayakawa M, Horie M, Saito Y, Yoshida Y, Iwahashi H, Niki E, Nakanishi J. Gene expression profile of the response to ultrafine nickel oxide particles in rat lung after intratracheal instillation using DNA microarray. The 7th International Symposium on Advanced Environmental Monitoring. Honolu, USA, 2008-02-26.

Fujita K, Morimoto Y, Tanaka I, Endoh S, Tao H, Akasaka M, Inada M, Yamamoto K, Fukui H, Hayakawa M, Horie M, Saito Y, Yoshida Y, Iwahashi H, Niki E, Nakanishi J. Effects of nano-sized nickel oxide particles on gene expression patterns in rat lung after intratracheal instillation. International Symposium on Biomarkers of Oxidative Stress in Health and Diseases (BOSHD 2008). Osaka, Japan, 2008-01-18.

論文発表

Fujita K, Morimoto Y, Ogami A, Myojo T, Tanaka I, Shimada M, Wang WN, Endoh S, Uchida K, Nakazato T, Yamamoto K, Fukui F, Horie M, Yoshida Y, Iwahashi H, Nakanishi J. Gene expression profiles in rat lung after inhalation exposure to C60 Fullerene particles. Toxicology. 2009, 258(1): 47-55.

藤田克英, 森本泰夫, 大神明, 明星敏彦, 田中勇武, 島田学, Wei-Ning Wang, 遠藤茂寿, 内田邦夫, 衣笠晋一, 加藤晴久, 高橋かより, 田尾博明, 稲田征治, 中里哲也, 山本和弘, 福井浩子, 堀江祐範, 吉田康一, 岩橋均, 中西準子. 遺伝子発現解析による工業ナノ粒子の生体影響評価.?環境毒性学会誌. 2008, 11(2): 69-73.

Fujita K, Morimoto Y, Tanaka I, Endoh S, Tao H, Akasaka M, Inada M, Yamamoto K, Fukui H, Hayakawa M, Horie M, Saito Y, Yoshida Y, Iwahashi H, Niki E, Nakanishi J. A gene expression profiling approach to study the influence of ultrafine particles on rat lungs. In Atmospheric and Biological Environmental Monitoring (eds. Kim, Y., Platt, U., Gu, M. and Iwahashi, H.), pp.219-227. Springer-Verlag GmbH Netherlands.