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水素ネットワーク構築導管保安技術調査(水素置換挙動調査)

 水素ネットワーク構築導管において、空気から水素への置換作業を安全に行うための調査研究を行った。調査研究を行うにあたっては扱う水素の量が大量となるため、野外実験を実施した。
 窒素をある程度導入して部分的に窒素層を形成した後に水素を流すという手順によって空気と水素を隔離したまま置換を行う手法を想定し、この場合に窒素層が保持され空気と水素の混合気が形成されない条件を検証するためのデータの取得を行った。得られたデータを実際の施工に効率よく反映させるために、管の口径や管内流速(レイノルズ数)による整理が可能となるように実験方法を配慮した。
 調査の対象として設定した導管は内径約25mm、約50mm、約100mm及び約150mmの4種の配管用炭素鋼管であり、分岐や曲がりがなく導管延長はいずれも80mである。測定対象としては水素の流量、窒素の流量、管内気体の圧力、同じく管内気体の温度、そして水素、窒素及び酸素の時間の経過に伴う濃度変化である。これらを精度よく取得するために適正な流量計、圧力計、温度計、気体濃度計を適宜組み合わせて取得した。
 解析を通じて、導管の口径、レイノルズ数、及び測定点(導管延長方向位置及び導管内での鉛直方向位置)による依存性が明らかとなった。中でも先行する窒素を押す形で水素を流した際に、移動現象論、特に移流拡散と対流混合の支配する現象として窒素と水素が混合する層が条件ごとに変化する挙動を整理可能であることを見出した。
 以上、本調査研究を通じて導管内を安全に空気から水素へと置換する際の安全対策を施す上での重要な示唆を得ることができた。

研究担当者