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石油精製業保安対策事業(高圧ガスの危険性評価のための調査研究)

 近年、支燃性ガスを含む様々なガスの爆発事故が報告され問題となっている。そこで高圧ガス使用時の危険性を爆発影響予測技術の構築により適切に評価し、安全性の向上を図るため、支燃性ガスの自然発火現象に関する研究および爆発威力評価の研究を行った。爆発威力評価研究は、濃度勾配がある予混合気の爆発影響評価と、予混合気中に障害物が存在する場合の影響評価を、それぞれ東京大学大学院茂木准教授、山形大学大学院桑名准教授及びアドバンスソフト富塚博士と連携して行った。
 支燃性ガスの自然発火現象の研究では、傷んだシール材表面に微量に流れるガスの流動摩擦によって着火するとされる流動着火現象について実験を行った。また支燃性ガスが配管中の可燃物と高温で接触することにより発火する接触発火現象については、高圧ガス配管中に存在や残留する可能性がある可燃物として、シール材に用いられる樹脂やゴム類、鉱物油等を、支燃性ガスのフッ素または三フッ化窒素雰囲気とした密閉容器ごと加熱し、発火が起きる温度を計測した。量子化学計算を用いて計算したフッ素原子と可燃物の反応のエネルギー障壁の大きさは、可燃物ごとの発火温度の違いを定性的に説明できた。
 濃度勾配がある予混合気の爆発影響評価では、空気を充填した密閉式爆発容器に水素を導入し、導入停止から点火までの時間と点火位置を変えながら、火炎伝播現象と圧力変化を観測した。点火位置の濃度によって到達圧力への影響はなかったが、火炎伝播速度に影響が見られた。また、障害物が存在する場合の影響評価の実験では、内部に障害物を設置した1立方メートルのビニルハウス内に、水素またはプロパンと空気の予混合気を充てんして点火し、火炎伝播の様子と容器外に伝わる爆風圧の距離・方向依存性を観測した。火炎面が障害物に近づく際には伝播速度の減少が、障害物に接している際には増加がわずかに見られた。この火炎伝播の様子を再現するシミュレーションを作成した。

研究担当者