ホーム > 研究成果 > 年報 > 2013 > 暑熱環境におけるエネルギーの消費による人間健康の改善効果の評価に関する研究

暑熱環境におけるエネルギーの消費による人間健康の改善効果の評価に関する研究

本研究では、暑熱環境に対する適応策の利用に伴うエネルギー消費量増大と人間健康影響削減のトレード・オフ関係に着目する。適応策のエネルギー消費量と適応策による環境温度の緩和効果を評価し、一方で、環境温度と熱中症や睡眠障害など健康被害との関係解析、健康被害の影響の定量化をおこなうことで、エネルギー消費量と健康影響のトレード・オフ関係を定量化する。さらに、緩和策のエネルギー消費量と健康影響削減効果も評価し、エネルギー消費・健康影響両面から見て望ましい適応策・緩和策の導入設計に関する指針を示す。

平成25年度は、疫学で用いられる平滑化スプライン回帰を用いた睡眠被害関数の高度化を行った。高度化した被害関数によって睡眠困難罹患率を予測したところ、罹患率は従来評価の40%程度にとどまるものの、気温上昇に伴う環境影響としては、なお睡眠困難が大きなウェイトを占めることがわかった。

研究課題の最終年度であることからの3年間の研究成果を取りまとめ、暑熱環境におけるエネルギー消費と健康影響について以下の2点が明らかになった。

① 夏季の気温上昇は睡眠困難に大きく影響する。

② エネルギー消費による環境改善(冷房使用)は冷房運転方法、本人の健康状態、睡眠と疲労の関係などを総合的に考慮して実施する必要がある。

望ましい適応策・緩和策の導入には、大局的には②を考慮すべきという方向性を示したが、今後、②を考慮した上で個別の状況に対する適応策・緩和策考慮のためのさらなる検討が必要であると結論づけた。

研究担当者