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QAAR(定量的活性活性相関)手法による化学物質等の有害性推論手法の開発

化学物質の有害性推論手法の構築は、化学物質のリスク評価を実施する際の国際的な動物試験数削減の要請に応えるべく重要な課題である。平成25年度は既存動物試験データが有する相関関係を元に、有害性の標的臓器間補間が可能となるQAARモデルの開発を行った。まず「化学物質排出把握管理促進法(PRTR法)」において、製造量、有害性などの観点から重要とされている第一種指定化学物質の既存動物試験データ(特に、反復投与毒性試験データ)の無毒性量(NOEL)をエンドポイント(標的臓器・試験動物種・試験方法の組み合わせ)ごとに整理することでトレーニングセットを整備した。次に、共分散構造分析と呼ばれる統計解析手法によりそのデータセットがもつ共分散構造を導出し、その構造を元にQAARモデルの最良予測式を決定するアプローチを提案した。提案手法に沿ってQAARモデルを構築し、Leave-one-out法と呼ばれる検証・確認方法を用いて、OECDの原則に沿ってそのモデルの推定精度の検証を行った。その結果、既に行政における委員会等の参考資料として使われている生態毒性のQSAR(定量的構造活性相関)モデルと比べても、十分に高い推定精度であることが確認された。さらに、開発したQAARモデルを鉛はんだの代替(鉛・スズからスズ・銀・銅のはんだへの代替)などのリスクトレードオフ評価へ適用した。

研究担当者