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事業者の自主的リスク評価・管理を支援する環境リスク評価ツールの開発

化学物質の生態リスク評価には、高度な専門知識と、情報の収集・解析における膨大な時間と労力が要求される。さらに、リスク評価手法は近年急速に発展しており、既存の個体レベルでの影響から、より生態学的に関連の深い、種の感受性分布(SSD)や個体群影響を評価するよう変わりつつあるため、非専門家にはますます敷居が高いものとなっている。このような現状を打破するには、専門家による簡易リスク評価管理ツールの開発・提供が望まれるが、国内外においてこうしたツールはまだ開発されていない。

本研究では、すべての科学的なリスク評価手法と評価に必要とされる化学物質の有害性データを搭載したユーザーフレンドリーな「汎用生態リスク評価管理ツール(AIST-MeRAM)」を開発し、特に事業者の自主的リスク評価管理を支援することを目標としている。2013年度までに、すべての評価手法とデータを搭載し、化審法スクリーニング評価&1次リスク評価に対応可能、かつユーザーレベルや評価目的に応じた使い分け可能な「一括評価」「初期評価」「詳細評価」機能を搭載したスタンドアロン版AIST-MeRAM 0.9.12を作成し公開した。また、AIST-MeRAMの活用促進のため、AIST-MeRAMの専用WEBページ(http://www.aist-riss.jp/software/ AIST-MeRAM/index.htm)を作成し公開した。2014年度では、日本語版AIST-MeRAM 0.9.12の機能改善と完成度向上、搭載データ補充など、ツールの実用化・機能充実化を中心とした開発作業を行い、日本語版のバージョンアップグレード版を公開する。同時に、化学工業界の国際事業展開や化審法のアジア展開を支援するため、英語版AIST-MeRAMを作成し、年度末には「英語版AIST-MeRAM 1.0」を成果物として公開することをめざしている。2013年度におけるスタンドアロン版ツール公開して以来、産学官各界から大きな関心を集まった。これまでに、化学工業日報(2013年2月26日)および日刊工業新聞(2013年4月26日と2013年7月25日)の新聞記事として紹介された。

研究担当者