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民生部門のエネルギー消費実態調査および低炭素化に向けたシナリオの検討

研究番号:財団等共同研究費(独立行政法人科学技術振興機構 共同研究費)

玄地 裕 

本研究では、(独)科学技術振興機構低炭素社会戦略センター(以下、「LCS」)と共同で、事業として経済的に自立可能で、かつ、低炭素なエネルギー資源の活用計画の提案を目指している。

平成25年度は、LCSが実施した地方公共団体等と連携した家庭のエネルギー消費実態調査とアンケート等に基づき、無理のない節電行動を促すための対策を検討した。

まず、2013年10月における実験協力家庭の消費電力内訳を分析し、実験協力家庭の冷蔵庫年間消費電力と省エネ型冷蔵庫の消費電力カタログ値の比較から、省エネ型冷蔵庫への買替による節電ポテンシャルが大きいことを示した。

買替は、家庭の生活行動を変化させることなく省エネが可能となるため、快適性を保ちつつ低炭素に暮らすための対策として効果的であるが、一方で、省エネ機器の初期費用の高さが指摘されている。そこで実験協力家庭に対して、「仮に被験者が20万円の省エネ型冷蔵庫への買替を検討している場合、買替費用を国の認定機関が肩代わりしてくれる制度(買替費用は、月々の節電代から認定機関に自動返還される)があれば利用したいか」について調査した。その結果、初期費用に関する経済的支援策は、高所得世帯における買替促進効果は期待できないものの、年収900万円未満の世帯に対しては効果が期待できることが示唆された。しかし、希望する返済期間は5年未満と冷蔵庫の投資回収年数としては短く、経済的支援策をビジネスモデルとして成立させることは困難であった。

本研究により、買替え促進策としては経済的支援策だけでなく、環境意識や社会規範意識、費用便益判断に役立つ情報提供などその他の環境配慮行動規定因を併せて刺激する対策が必要であることが示唆された。

研究担当者