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災害に強い産業の形成・基盤整備事業(小型冷凍機への可燃性冷媒使用に係る規制の在り方の検討事業)

大規模災害などの被害想定の見直しや全国的な自然災害による被害の深刻化を踏まえ、災害に強い産業の形成・基盤強化を早期に実現することが喫緊の課題である。

近年、エアコンや冷凍機の冷媒について、地球温暖化係数が低くて、省エネ効果があるという理由から、可燃性冷媒を使用したいという動きがある。しかし、可燃性冷媒を使用することは、火災の発生の原因となる可能性や火災の被害を大きくしてしまう可能性がある。

本事業では、小型冷凍機等へ可燃性冷媒を使用することについての規制の在り方を検討するために、可燃性冷媒、少し可燃性のある冷媒、不活性冷媒、可燃性混合冷媒を使用した小型または中型の空調機の爆発燃焼試験を実施した。試験の実施にあたっては、専門家による委員会を設置して、爆発燃焼試験の実施方法などを検討した。

今回、世界的にも例のないLPガスバーナを用いた爆発燃焼試験を行ったが、UN Regulation No.67に準拠した試験を実施することができた。

爆発燃焼試験の結果、小型空調機の場合は、いずれの実験においても爆発燃焼試験中に熱交換器部分などで配管が破れ、試験体の部品などの破裂は起こらなかった。中型空調機の場合は、いずれの実験においても溶栓が溶けて冷媒が放出され、試験体の部品などの破裂は起こらなかった。いずれも各試験体の設計圧力以下の値であり、圧力による危険性は認められなかった。火炎の大きさについては、小型空調機の場合は、火力源のバーナの火炎の範囲を超えることはなく、冷媒の放出などによる危険性は認められなかった。中型空調機に関しては、少し可燃性の冷媒および不活性冷媒では、溶栓からの冷媒放出時にバーナを消火し、液体窒素による消火、冷却を行っているので、全体を通しての判断は難しいが、溶栓からの冷媒放出によってそれ以後の圧力による危険性は低下するため、それ以後に試験体の部品の破裂や危険な飛散物の発生は考え難いことから、本試験の範囲内では、冷媒の種類による外部からの火炎に対する危険性の差は認められないと判断できた。

以上の結果をまとめると、一般的な火災よりもかなり厳しいと思われる条件で外部から火炎で加熱した場合であっても、可燃性冷媒または可燃性混合冷媒を使用した小型空調機および中型空調機について、部品の破裂などが起こることはなく、不活性冷媒と比較して、圧力や火炎による危険性の増大は認められなかった。

冷媒を漏洩させながらの実験も行ったが、漏洩した冷媒が滞留するような条件ではなく、可燃性冷媒や可燃性混合冷媒が漏洩して滞留し、着火した場合の危険性については議論することはできなかった。小型冷凍機への可燃性冷媒使用に係る規制について検討するには、事故シナリオを分析し、さらに詳細に調査する必要がある。

研究担当者