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災害に強い産業の形成・基盤整備事業(自動車燃料装置用容器の安全性評価事業:液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器の安全性評価)

大規模災害などの被害想定の見直しや全国的な自然災害による被害の深刻化を踏まえ、災害に強い産業の形成・基盤強化を早期に実現することが喫緊の課題である。

本事業では、液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器の安全性評価を行い、基準化の在り方を検討することによって、災害の防止を行うとともに、健全な液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器の普及によって、非常時のエネルギー確保の観点から災害に強い液化石油ガス自動車の普及に貢献することを目的とした。

液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器の安全性評価では、市販の液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器から金属製容器を2種類選定し、それぞれについて、液化石油ガスを満タンに充填した状態、半分まで充填した状態、液化石油ガスを漏らした状態で爆発燃焼試験を実施した。比較のために従来型容器1種についても、同様の試験を実施した。専門家による委員会を設置して、爆発燃焼試験の実施方法などを検討した。

今回、世界的にも例のないLPガスバーナを用いた爆発燃焼試験を行ったが、UN Regulation No.67に準拠した試験を実施することができた。

爆発燃焼試験の結果、いずれの実験においても、爆発燃焼試験中に安全弁が作動し、容器の破裂は起こらなかった。ただし、容器蓋が飛散するケースがあったため、飛散物に対して全く危険性がないとは言えない。火炎長については、ドーナツ型容器の方が従来型容器と比較して、最大火炎長が長いという結果であったが、実験時のバルブ部分の格納方法に相違があり、ドーナツ型容器の方が危険であるとは断言できない。実際の使用状態では、安全弁部分が完全に蓋で覆われており、さらに車両に搭載されている状況を考慮すると危険性に大きな差異があるとは考え難い。また、いずれの実験においても、安全弁からのガスの放出、着火により、周囲のヒトや構造物に影響を与えるような爆風圧は計測されなかった。漏洩有りの実験においても、ガスが滞留するような条件では実験を行っていないため、車両のトランク部分で漏洩したガスが滞留した場合などの危険性については言及することができない。

以上の爆発燃焼試験の結果を総合的に判断すると、ドーナツ型補助容器は、国内で使用されている従来型容器と比較して、特に危険性が高いとは言えないと結論できる。ただし、この結論は、爆発燃焼試験の結果のみからの結論であり、車両のトランクルーム内での漏洩、滞留など、他の事故シナリオでは違った危険性が顕在化する可能性があることに注意が必要である。

また、基準化の在り方を検討するために、液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器と液化石油ガス自動車燃料装置用容器およびガソリン自動車燃料装置用容器との安全性の比較、および、液化石油ガス自動車燃料装置用ドーナツ型補助容器に関する海外の基準の調査を実施した。

研究担当者