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地震・津波および原発事故等の低頻度大規模災害へ最適対応するための、次世代リスク評価シミュレーション技術の構築

本研究では、一旦発生すれば社会や経済に与える影響が桁違いに大きい低頻度大規模自然災害リスクへの最適対応を可能とするため、一次災害と二次被害を含めた複層的な影響をシミュレーションする構造とそれらの災害から発生する産業への被害リスクを評価する新たな考え方に基づく分野横断的な総合リスク評価シミュレーション技術の構築を目指して研究を行っている。具体的には、①一次災害予測シミュレーションサブシステム、②二次被害定量化サブシステム、③リスク評価サブシステムから構成される総合的なリスク評価シミュレーション技術を開発している。

平成25年度は、総合的なリスク評価シミュレーション技術の完成に向けて、以下の研究開発を実施した。

① 一次災害予測シミュレーションサブシステム
産総研所有の地震の揺れ即時推定システムQuiQuakeの改良を行ないつつ、産業施設のフラジリティカーブを完成させ、また、南海トラフの地震による愛知県での揺れと津波強度の推定を行った。

② 二次被害定量化サブシステム
急性毒性の強い化学物質情報の追加を行うとともに、津波発生時の被害推定機能の追加を行い、プラント事故による有害化学物質と原発事故による放射性物質の漏洩、拡散および避難範囲等を推定するサブシステムを開発した。サプライチェーン分析については、①のフラジリティカーブを用いて、中部地域における地震および津波による生産停止による被害額を算出し、モデルを用いてその他地域への間接影響を算出するサブシステムを完成した。また、製品レベルサプライチェーン分析用暫定データベースは2000種類規模の製品レベルサプライチェーン分析用プロトタイプデータベースへと高度化を実施した。

③ リスク評価サブシステム
日本全国で把握されている震源における地震による揺れに伴う建物と人的被害、および愛知県における津波による建物と人的被害を、1kmメッシュ分布で示すサブシステムを開発した。また、地震の発生確率を考慮した建物全壊と死亡リスクを1kmメッシュ分布で示すサブシステムを開発した。各サブシステムにより推定される損害を一般化リスク指標によって積算する災害リスク評価方法を確立し、簡単な操作で様々な地震シナリオにおけるリスク評価を可能にするソフトウェアを開発した。

研究担当者