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ナノリスク~繊維仮説への挑戦~

ナノ材料のリスク評価における最大の障壁である繊維病原性仮説を検証するため、①繊維特性を保存した状態で単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を分散させる技術の開発、②長繊維SWCNT分散液を用いた有害性試験による生体影響の検証、③ナノ材料の包括的なリスク管理のあり方の検討、を行った。

① 繊維特性を保存した状態でSWCNTを分散させる技術の開発
多様なCNTの有害性評価を行う場合には複数の分散方法を確保しておく必要がある。本研究では、低毒性分散剤である天然DNAと非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレン(20)ステアリルエーテル)を分散剤とする分散方法の開発を行った。
天然DNAを分散剤する方法では、昨年度作製した長さ10mm以上(以下、長尺と略)のSWCNTを高含有率で含む分散液などを用いた長期動物試験を実施している。今年度は、試験液中のCNTの太さ分布の正確な計測や金属不純物の含有量測定を実施した。これらの結果は、来年度得られる動物試験の結果を解釈する際に勘案する。
もう一つの有力な分散剤候補である非イオン性界面活性剤を用いた分散方法についても、繊維仮説検証に使用できる長尺分散液の調製方法を確立することに成功した。そこで、この界面活性剤自体の有害性を確認しておくための有害性試験を実施した。

② 長繊維CNT分散液を用いた有害性試験による生体影響の検証
①の成果で得られたDNA分散長繊維CNTによる24ヶ月有害性試験を実施中である。6ヶ月経過時点において、遺伝子に対する直接影響を調べるためにコメットアッセイ試験を行ったところ、異常所見は認められなかった。

③ ナノ材料の包括的なリスク管理のあり方の検討
ナノ材料の環境・健康・安全問題に関わるリスク管理の可能性を検討するため、昨年度までの調査研究をもとに、総説を投稿し、付加的な文献調査を行った。

研究担当者

  • 本田 一匡
  • 藤田 克英
  • 阿部 修治
  • 佐々木 毅
  • 片浦 弘道
  • 田中 丈士
  • 藤井 俊治郎
  • 平野 篤
  • 長沢 順一
  • 針谷 喜久雄
  • 兼松 渉
  • 小野 泰蔵
  • 太田 一徳
  • 早川 由夫
  • 山本 和弘
  • 山脇 浩
  • 湯村 守雄
  • 斎藤 毅