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再生可能エネルギー導入拡大に向けた最適技術導入シナリオ推計手法の開発

わが国では再生可能エネルギー(再エネ)利用拡大への期待が今まで以上に高まっているが、再エネの安定的利用のためには電力需給調整力が同時に必要であり、またそれに伴う消費行動の変化も生じうる。そのため、再エネ導入拡大に向け、再エネ技術をエネルギーシステム全体の最適技術構成の観点から評価するため、(1)再生可能エネルギー発電の導入ポテンシャル評価および、(2)エネルギー技術データベース・需要シナリオ構築を行った。

(1)のためには、電力系統の規模、電源構成、可制御需要機器の普及度、出力変動の大きさ、等さまざまな要因の影響を考慮しなければならない。これらの要因を考慮したエネルギーシステム分析を行うためには、太陽光発電などの1時間単位の出力変化を電力系統規模の地域単位でモデル化する必要がある。そのため、電力需要等の変化を1時間単位で表現できるように拡張された我が国のエネルギーシステムモデルMARKALを用いて、全国レベルで太陽光発電の1時間単位の出力変化をモデル化し、2050年までの期間を対象として、太陽光発電が大量導入された電力系統の最適電源構成と、それに対応した電気自動車の充電パターンの最適化を分析した。その結果、充電パターンの最適化により電気自動車の導入が促進されることを見いだした。また、MARKALモデルのいっそうの機能強化に取り組み、時間的には3季節(夏、冬、春秋)、3日類型(平日、休日、特異日)、1日24時間の分解能と、地域的には全国を10地域に分割した多地域MARKALモデルのソースコードとデータベースを開発した。

(2)では、(1)で開発した多地域MARKALモデルの入力値となる、ライフサイクルの視点からのエネルギー技術の効率・環境性能データ整備と、消費者行動分析に基づくエネルギー需要シナリオを構築した。具体的には、再生可能エネルギー電源大量導入時に必要となる調整力として有望視されるヒートポンプ式給湯器・電気自動車について、それらの製造から廃棄に至るライフサイクル全体でのCO2排出量を算出し、従来型給湯器およびガソリン自動車と比較することで環境面での優位性を検証した。いずれも使用段階からのCO2排出量がライフサイクル全体に占める割合が高いため、使用条件の違いによるCO2排出量の差、あるいは調整力として利用できる時間帯を詳細に検討できるように、住宅でのエネルギー計測や道路交通センサスデータを用いて推計した時間帯別給湯・交通需要に基づいたエネルギー需要シナリオを構築した。

研究担当者