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プラント内における非防爆機器の安全な使用方法に関する調査

【背景・経緯】

石油精製・石油化学プラント等では保安上の課題からIoT電子機器等の利用ニーズが高まっています。一方で、電子機器のプラント内への導入はリスク評価を実施し、安全と判定された場所にのみ可能であり、具体的な使用にあたっては労働安全衛生総合研究所より「工場電気設備防爆指針」等が示されています。これらの指針で示されている保安水準を維持しつつ、法令等に基づく最新の電子機器等の安全な使用方法について、リスク評価などの観点も取り入れたガイドラインの策定を目標に2017年度、2018年度の2年間に渡り、非防爆の電子機器等の安全な使用の拡大を目的に調査研究を実施しました。

 

【2019年度の取組みと成果】

ガイドラインは2019年4月24日に経済産業省 産業保安グループ 高圧ガス保安室から公表され、同5月には石油・化学プラント、非防爆機器の使用拡大へ向けての経産省の取組として日刊工業新聞などに掲載されました。
プラント事業者への実態調査では、プラント内では道路を除く殆どのエリアがゾーン2(防爆仕様の電気機器しか使用できない)に設定されていることが分かりました。原因の一つは、エリアの危険区域区分(例えば危険度が高い順にゾーン0, ゾーン1, ゾーン2など)の設定あるいは範囲を決めるための使用しやすいリスク評価法の不足でした。図は、ガイドラインが想定するケース及びリスク評価結果のイメージです。現状では可燃性漏洩ガスの放出源の周辺は広い範囲でゾーン2です。一方、策定されたガイドラインに沿った評価の結果がある条件を満足すれば、当該区域は非危険区域となり、非防爆機器も使用可能です。

 

【成果の意義・今後の展開】

2020年度は日本高圧力技術協会や日本非破壊検査協会ミニシンポジウムなど4件の特別講演の依頼(2件講演中止)を受けました。2020年1月の経済産業省からガイドラインのバージョン更新に合わせて、評価をサポートする「危険度区域分類事例Excel」をグループの管理するHPに掲載するなど活動を継続しています。

【参考】
経済産業省産業保安グループ高圧ガス保安室,「プラント内における危険区域の精緻な設定方法に関するガイドライン」,https://www.meti.go.jp/policy/safety_security/industrial_safety/sangyo/hipregas/hourei/guideline_.html
産業技術総合研究所, 経済産業省委託事業 平成30年度石油・ガス供給等に係る保安対策調査等事業(プラント内における非防爆機器の安全な使用方法に関する調査)報告書, 平成31年3月
(国)産業技術総合研究所安全科学研究部門,「危険度区域分類事例Excel」, https://sanpo.aist-riss.jp/2020guideline/

 


図 詳細リスク評価による危険度区域の区分判定(第2級放出源まわり)

研究担当者