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インベントリデータベース(IDEAv2)

概要

IDEA開発の背景と目的


資源の効率的活用、環境負荷物質の排出削減等のためにライフサイクルアセスメント(LCA: Life Cycle Assessment)が重要な評価手法となっています。LCAを実施する上で、検討対象となる範囲のインベントリデータを収集することは必要不可欠です。これらの評価ではLCA実施者がインベントリデータを収集し、評価が行われることが望ましいのですが、全てのデータを収集するためには、膨大な時間や労力を費やしてしまいます。そこで、評価の結果において影響が小さい部分については、「バックグラウンドデータ」を用い、LCA実施者は影響の大きな「フォアグラウンドデータ」を収集して評価の効率化を図ることになります。この観点から、多様な評価に対応できるバックグラウンドデータの整備は非常に重要であるといえます。

これまでの「積み上げ型」LCIデータベースは分野による偏りが大きく、また殆ど整備されていない分野も少なくありませんでした。また、より細かい項目のデータが求められる分野もあります。環境フットプリント等への対応などから、一定の品質が担保された大規模なデータベース構築が必要となっています。こうした背景を踏まえ、積み上げ法に基づいた、高い網羅性・完全性・代表性・透明性を有し、データ品質も考慮可能なデータベースを構築することを目的とし、統計情報によるデータと積み上げデータをハイブリッドしたインベントリデータベース「IDEA(Inventory Database for Environmental Analysis)」を開発しました。


特徴

網羅性, “基本データ” と “個別データ”

IDEAに格納されているデータは、農林水産業、鉱業、建築・土木などの非製造業、飲食料品、繊維、化学工業、窯業・建材、金属、機械などの製造業と電力・都市ガス、上下水道、運輸業などのすべての製品を対象としており、IDEAデータベースは網羅性があります。すなわち、該当するバックグラウンドデータが必ず存在します。一方、サービスや加工に関しても重要な産業分野によってはデータが格納されています。これらの産業分野では網羅性は担保されていません。
網羅性を担保しているデータを、「基本データ」と定義します。基本データは主に統計データを利用して作成されており、日本の平均的な製造プロセスを反映しています。また、網羅性は担保されていませんが、必要性が高いために作成されたデータを「個別データ」と定義します。個別データは、聞き取りや実測調査、既往文献・既存データなどから作成されている限定的なデータです。

IDEA分類コードと階層構造

IDEAでは網羅性のあるインベントリデータベースを構築するにあたり、はじめに対象とする製品の名称と対象範囲を規定した分類を設定し、その分類にコードを付与しました。この分類コードのことを、「IDEA分類コード」と称します。 IDEA分類は、「日本標準産業分類」(総務省, 2002)およびその他の統計などを参考にして作成しています。これらの分類コードは、「中分類<2桁>」、「小分類<3桁>」、「細分類<4桁>」、「細々分類<6桁>」の4種類が存在します。「日本標準産業分類」は、日本のすべての事業における経済活動を網羅しており、IDEAの特徴である網羅性を担保したデータベースの分類を作成する上で非常に有用です。また、多くの日本の統計が分類を統一するために、「日本標準産業分類」に基づく形で作成されています。このため、他の統計との対応や関係性などを鑑みてデータ分析を行う上でも、「日本標準産業分類」の互換性は高いと言えます。 「日本標準産業分類」の分類番号とIDEA分類コードの対応関係を次の図に示します。

「日本標準産業分類」の分類番号とIDEA分類コードの対応関係

IDEAでは、IDEA分類コード「中分類<2桁>」と「小分類<3桁>」は、“産業分類”で、単位プロセスデータは存在しません。「日本標準産業分類」で4桁表示されている細分類は“産業”に相当しますが、IDEA分類コードの「細分類<4桁>」は製品分類で、その産業が産出する製品の集合体を表す“製品群”と定義します。 次に、IDEA分類コードの階層構造(「中分類<2桁>」から「細分類<4桁>」まで)の例を次の図に示します。
IDEA分類コードの階層構造(「中分類」から「細分類
また、「細分類<4桁>」よりも更に細かい分類を設定するために、「細分類<4桁>」の下層に、統計などの文献に基づいてIDEA独自に「細々分類<6桁>」を作成しました。
細々分類
IDEA分類コードの「細々分類<6桁>」は“製品”を表します。 IDEA分類コードの階層構造(「中分類<2桁>」から「細々分類<6桁>」)を次に示します。
IDEA分類コードの階層構造(「中分類」から「細々分類」
このような産業による分類方法は、類似製品が異なる産業で製造されている場合に有用です。 単位プロセスデータから生成される製品出力フローは、IDEA分類コードに基づいた製品ごとの固有のコード番号を付与して管理しています。

IDEA製品コードは、IDEA分類コードの後ろに“0”を付与して6桁の数字にし、さらに属性を表す3桁の識別番号を付与して9桁のコードと設定しています。IDEA分類コードは、例えば「中分類<2桁>」には後ろに“0000”を付けて、「小分類<3桁>」には“000”を付けて、「細分類<4桁>」には“00”を付けて、桁数を6桁に統一します。IDEA分類コード<6桁>はそのまま使用し、その後ろに属性を表す3桁の識別番号を付与します。
IDEA製品コード
3桁の識別番号については、次の図のような意味を持っています。

ShikibetsuBangou

プロセスデータセット

IDEAの大きな特徴の一つとして、日本国内の全ての事業における経済活動を網羅していることが挙げられます。 格納されている単位プロセスデータセット数の合計は3,820個であり、その内訳は基本データの「細分類<4桁>」の単位プロセスデータセットが652個、「細々分類<6桁>」が1,846個、そして個別データは1,322個となっています。分野別の単位プロセスデータセット数を以下に示します。
分野別の単位プロセスデータセット数

データの有効範囲

IDEAが設定する地理的有効範囲については多くのデータは日本全体です。また、時間的有効範囲(データベースの基準年)は2010年を原則としています。しかし、定義した条件通りの単位プロセスデータセットを全てについて作成することは難しく、実際には可能な限り直近の情報が用いられてデータ作成が行なわれています。なお、1990年代のデータもあり、その場合は単位プロセスデータセットの品質評価において、時間的有効範囲の品質が劣るという判断になります。(基準年に対する差に応じて品質ランクが付与されます)。技術的有効範囲は日本国内の事業所における平均的な技術を対象としています。

データ品質

IDEAデータは、多岐にわたる情報源から収集されており、品質も様々です。例えば、業界団体等が作成した品質が非常に高いデータもあれば、入出力データが不十分で一部推測等によるデータが格納されていることもあります。データ品質を十分に理解せずにバックグラウンドデータを用いてLCAを実施すると、結果に重大な影響を及ぼすこともあります。従って、バックグラウンドデータの品質評価はとても重要です。また、IDEAでは網羅性を担保した基本データセットと、そうでない個別データセットが共存していて、似た製品名のデータセットが複数整備されていることもあります。その場合は、LCA実施者がどのデータセットを用いることが最適か判断する必要があり、より適合するデータを用いるための判断材料としても、バックグラウンドデータの品質評価の必要性は高いと言えます。

購入先

上記のデータベースは、複数のソフトウエア(海外ソフトウエアも含む)で利用できるように準備しております。現在は、TCO2株式会社よりSimaPro版をご購入になれます。詳しくは下記ソフトウェアサイトのリンクよりTCO2のHPをご覧ください。